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あきら「茶柱句会 第三部 第55回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第55回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」
(着信順 投句のまま)
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内x2)
4月8日〜4月22日締切り
兼題 <桜>
あるいは自由題(当季 春)



朧月水晶橋に佇める

春風にまみれし子どもマニ車

やはらかくゆれて柳絮を飛ばしけり

連翹の長き生垣つと途切る

五分咲のころの閑かな花見かな

襟元を緩めて春の風となる
(以上六句 大阪市 あきら)


二年目の染井吉野や花万朶

窓開けよ桜明かりの満ち来るに

隣家より桜吹雪の降りしきる
(以上三句 加古郡 はつを)


人連れて散歩する猫朧月

対岸の花びら飛来遊歩道

風光る泣くだけ泣いて宙に浮く

桜貝の砂を払ひて包みけり
(以上四句 横浜市 兎巣)



字句補足説明-鑑賞の手引-
順番に
朧月(春) 春風(春) 柳絮(りうじょ)(仲春) 花見(晩春)
  連翹(れんぎょう)(仲春)と季語 
<水晶橋>大阪・中之島にある橋の名 
橋といっても堂島川の元可動堰なので階段を登って降りる構造 
一段と高くなった石の舞台のような橋
<マニ車>チベット仏教で用いられる仏具
(チベット語ではマニコロ・転経器と訳される) 
赤ちゃんのガラガラのような小型から
本堂に組み込まれた大型まで様々な大きさがある
いずれも内部に経文が納められており 
回した分だけ経文を読んだのと同じ功徳があるとされる 
四天王寺の西門にも中型のマニ車が設置されている
<柳絮>柳は花を咲かせたあと綿毛のような実をつける これが柳絮
羽毛のように柔らかく春風に舞う
<花見>は季語の上では晩春 しかし<五分咲き>の頃なので<仲春>の頃の句
<連翹>は密度が高く生垣によく用いられる 
葉に先駆けて黄色い花を沢山つける
どこまでも続くと思っていたら急に途切れた 
運命もかくや─ <襟元を緩め>温度調節は首筋から 
タ−トルネックを普通の襟にして更に釦を緩める 
一枚づつ重ね着を脱いでいくのはそれから

はつをさんの句
順番に染井吉野(仲春)桜明かり(仲春)桜吹雪(仲春)の季語
兼題の<桜>の句を三つ揃えられた
一句目 <花万朶(はなまんだ)>がいい <朶(だ)>は
垂れること・花のついた枝
の意味 花万朶は花がいっぱいついて垂れた枝のこと
二・三句目ともに桜の花が開いて喜び勇む作者

兎巣さんの句
順番に朧月(春)花びら(晩春)風光る(春)桜貝(春)が季語
一句目 句に登場するのは猫と従たる人と朧月 春の幻想
猫で切レが入って引き締まった一句となった
二句目 この時期花びら(花片)といえば桜の花びらというのが俳句の約束事
軽いので思いもかけない所にも散ってくる
対岸の桜の花びらが飛来したという表現でのびやかな空間が描かれた
四句目 桜貝は桜色の美しい貝 女性らしい細やかさがさりげなく表現された


<同人欄>

「桜守」あきら(代表同人)vol.43

株立ちの朋友なりし山桜

山桜孤高の刻の愉悦かな

聖霊会終へたる空や夕桜

陵守に耳打ちしたり桜守

花冷や螺鈿の闇の夜光貝

鶯の里に炭窯据ゑにけり

蛍烏賊喰らふ慚愧の舌鼓

字句補足説明-鑑賞の手引-
表題の桜守(晩春)以下 山桜(晩春)夕桜(晩春)鶯(春)蛍烏賊(晩春)
などが季語
一句目近所にある旧堀川取水口に一本の山桜がある 朋友である
五分咲きは 自己評価のわが俳句の境地(途半ば)
山桜は群れていても一本立でも愉悦(喜びに満ちている)ように見える
山桜も夕桜も<桜>傍題の季語(晩春)
三句目<陵守(はかもり)>は陵(みささぎ)を管理する人
<桜守>は桜の木を管理する造園師(多くは樹医も兼ねる)
耳打ちしたのは何の話かしらないが 意味深でなにか気になる
桜守といえば仁和寺の御室桜を代々見守ってきた
第16代佐野籐右衛門(1928〜)さんをすぐに思い浮かべるが この桜守は無名
<聖霊会>1400年の歴史をもつ四天王寺の聖霊会舞楽大法要(4月22日)のこと
聖徳太子の命日の法要と舞楽が一体化した重要な行事とされる 
<花冷>四月に入って何日か続いた
<鶯>夏の時鳥(ほととぎす)秋の雁(かり・かりがね)と並ぶ春の鶯
四月半ば伊賀の友人の窯の地に第53回でご説明した<松村式改良炭窯>を
設置させていただいた ほぼ半日掛かり鶯の声に包まれた至福の時間だった
<蛍烏賊>胴の長さが3〜7cm(体長だと6〜7cm)以下の小さな烏賊
腹や頭部・脚に発光器をもつ 日本の特産で富山県滑川が産地
水揚げ高は兵庫県浜坂港が日本一
定置網が引き上げられる際 危機に瀕して青白く発光する様はまるで異星人
慙愧(ざんき)取り返しのつかないことをしたと強く悔み自ら恥じながらも 
酢味噌和えや沖漬けにしてそれを喰らふ人間とはいやはや─


「海月」はつを(同人)vol.41

投句あるも当季(春)を逸脱し夏の季語で詠まれたため不掲載とします


<講評>茶柱句会主宰 あきら(代表同人)
2008(平成20)年から茶柱横町の住人にしていただき
休むことなく連載を続けてきましたが
いつしか在るのが当然のような存在になって
俳句を詠む以前の人となりを疑うような人も混じり
感謝の心を忘れた人が増えてきたように思う
葉桜の傍題で<花は葉に>という初夏の季語があるように
雑物は排除して人心一新
当句会もひと区切りつけるべき時期がきたようです
そこで第60回をもって終刊します
横町の谷口さんには一方ならぬお世話になりました
誠にありがとうございました
あと数回きっちり句会を運営して立つ鳥後を濁さず
横町での句会は終刊ですが茶柱句会は不死身
どこかでしぶとく継続して参る所存──
参加者数3名(315名) 参加句数13句(822句)()内は累計数
同人の兎巣さんはツイッタ−句会当初からの参加
本当によく頑張ってこられました
このまま俳句を止められるのは勿体ないので
同人として<新・茶柱句会>にご参加下さい
<去者不追 来者不拒>

─俳句なう─「第56回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
5月8日〜5月22日締切り 2014年6月8日掲載予定
一人6句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−ト)
兼題は<梅雨>
あるいは自由題(当季 夏)でも構いません
5月5日<立夏>から歳時記上の<当季は夏>となります
便宜上立夏前のゴ−ルデンウイ−ク(連休)
及びその間の行事は当季扱いとします
残りの句会を慈しむように楽しんで参りましょう


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