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あきら「茶柱句会 第三部 第34回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第34回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」
(着信順 投句のまま)
7月8日〜7月22日締切り
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題  雲の峰 夕立 西瓜 鱧
あるいは自由題(当季 夏)




雲の峰島弧に暮す自覚なく

一撃で苔蘇へる白雨かな

半日は井戸に浸け置く西瓜かな

幅利かす韓流の鱧京料理

活〆の鱧の元気や山と鉾

円形のリヤカ−涼し三姉妹
(以上六句  大阪市 あきら)


俳聖の跡を辿るや雲の峰

雲の峰翁の文字をなぞりけり

雲の峰よりも気高き翁かな

詰めるだけリュックに詰めよ西瓜うり

錦小路に占出山据へ鱧尽くし
(以上五句  加古郡 はつを)(代ツ)


鬼女の眉開いて涼し青楓

髪結えばうなじは涼し雲の峰

赤々と提灯懐かし夏祭

かき氷ついに出てこぬ女優の名

炎天を避ければ香る蚊遣かな

夕立の間に言い終る苦情かな
(以上六句  横浜市 兎巣)


字句補足説明
雲の峰 白雨(はくう)西瓜 鱧 涼し と夏の季語
白雨は夕立のこと
島弧(たうこ)とは日本列島のように湾曲した島の学名
近年 プレ−トテクトニクス理論など地球物理学の進歩で
巨大地震の予測とそれに伴う巨大津波の発生のメカニズムが随所で語られる
<島弧>という言葉も そんな中で学んだ
日本列島はユーラシア大陸プレ−トの下に潜り込もうとする
太平洋プレ−ト(地球を覆う岩盤)や
フィリッピン海プレ−トなどの作用を常時受けて一触即発の状況
(つまり いつ巨大地震が起こってもおかしくない)
一方 プル−ムテクトニクス理論では
マグマから浮上してくるプル−ム状の溶岩などの活動を前述の理論に重ねて
火山列島の特異性も解明されている
富士山や桜島の景観などがその典型的な姿
いま 原発の再稼動の議論が喧しいが「活断層」の巣窟のような島弧
に置かれた日本を脚下照顧する必要がある
鱧  祇園祭にも天神祭にも鱧は欠かせない
近頃 国内産よりも韓国産の方が旨いと評価が高い
海老や蟹などの甲殻類を沢山食べた釜山近海の鱧の方が味がよい
というのがその理由 鱧にうるさい京都の市場でも韓流が幅を利かしている
大阪市内でのスナップ 
ピンク色の自転車の後ろに共色で円形のリヤカ−を取り付けた 
とてもオシャレな母子を見かけた リヤカ−には可愛い三姉妹
いつもグッドデイン賞を心の中で進呈している
はつをさんの句
順番に 雲の峰 西瓜売り 鱧尽くしと夏の季語
はつをさんの句にはいくつかの前書あり
芭蕉追慕の旅ははつをさんのライフワ−ク 
一 平成20年7月13日朝 月山8合目 雲海を背に頂上を目指す
  雲海の遥か彼方に鳥海山が見える
二 月山頂上に芭蕉直筆を銅版に陽刻した<雲の峰幾つ崩れて月の山>
の句碑あり 
この句は「奥の細道」のピークに置かれる重要な一句
はつをさんはそれを指でなぞられた
芭蕉の遺訓に<古人の跡を求めず 古人の求めたるところを求めよ>がある
もとより 古志の同人でもあるはつをさんは 
古志の精神でもある古人の求めたる志を求めて旅を続けられる 
その姿勢に頭を垂れるばかり
占出山(うらでやま)は錦小路室町東入ルにある
神功皇后の新羅遠征説話の主人公が肥前の国松浦で鮎釣りをして
戦勝を占った伝説に由来
そこで鱧尽くしの口福にあずかる なんともうらやましい一句
祇園祭は別名鱧祭と呼ばれている
兎巣さんの句
順番に 涼し 青楓(あをかへで) 雲の峰 夏祭 かき氷 炎天 蚊遣り
と夏の季語 季重なりが目立つ よほどの必然性がないかぎり
<五七五に主たる季語一つ>が俳句を俳句たらしめる俳句の基本
せっかく涼しさを詠んでも 涼しさの本意が伝わらない


<同人欄>

「熱帯夜」あきら(代表同人)vol.22

梅雨明けて大手を振って来るもの

プラントのパイプの腑分夏の月

熱帯夜救急車来て走り去り

河童忌やエンドロ−ルを奄々と

映りこむバロックの夏タンクロ−リ−

字句補足説明
順番に
熱帯夜 梅雨明け 夏の月 河童忌(かつぱき)夏 と夏の季語
河童忌 芥川龍之介(1892〜1927)の忌日7月24日自死
1927年「改造」に掲載された短編小説のタイトル「河童」に因む(季語歳)
奄々(ゑんゑん)は延々と同じ 
熱帯夜 最低気温が25℃を超える夜 暑くて寝苦しい夜
既に多くの方が熱中症で亡くなっている
ステンレスの鏡面のタンクロ−リ−車 バロック(歪んだ)夏が映りこむ


「祇園会」はつを(同人)vol.20

水かけよもつと囃せよ辻回し

この町のこの山鉾が世界一

長刀鉾懸装の駱駝が行く大路

山鉾の京千年の響きあり

天女舞ふ綾傘鉾や棒囃子

字句補足説明
祇園会(ぎをんゑ)以下 辻回し 山鉾 長刀鉾 綾傘鉾(あやがさぼこ)
と祇園会の傍題で夏の季語
珍しい綾傘鉾が詠まれている
現在の山鉾以前の古い形式を留めているといわれる
棒を持って囃す棒囃子が先導 
飛天などの染色の傘垂れがある二基の 
傘がそれに続く
祇園祭も数多く吟行してこられた
訂正とお詫び
前回 はつをさんの同人欄の表題「針江の里」は「針江の郷」が正でした
ここにお詫びして訂正いたします  あきら


「針江の里」はつを(同人)vol.19

清水湧く針江の郷の百八戸

清水湧く針江の郷や酒旗の風

花終へる泰山木や生水湧く

清水湧く宮の賑はふ鮒鮨屋

根来寺の大き噴井の跳ねる鯉

字句補足説明
針江(はりゑ)琵琶湖西岸の高島市針江地区
丹波高原と比良山地を水源とする湧水 名水の郷として名高い
酒旗(しゅき)酒屋の目印の旗 近江米と名水と酒は切り離せない
順番に清水湧く 生水(しやうづ)湧く 鮨 噴井(ふけゐ)と夏の季語


<講評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
今回の参加は3名(248名)参加句数17.句(503句)( )内の数字は累計
同人のお二人 はつをさん 兎巣さんは堅調
はつをさん<俳聖の跡を辿るや雲の峰>
<雲の峰翁の文字をなぞりけり>に切々とした思い
同人欄 はつをさんの「祇園会」は少々マニアックだが実に味わい深い
兎巣さんの復調がなにより でも それどころか同人の兎巣さんには
独自の俳句を極めてもらわなければ勿体ない
<かき氷ついに出てこぬ女優の名>よくあることだが 
作者が女性だけにおかしみがある 句としても明快
<夕立の間に言い終わる苦情かな>も兎巣さんらしい一句
他の句は(絶対ダメでもないが)季語が二つあったりで要再考
稲穂さん天白さんは欠詠 お見舞い申し上げます
稲穂さん病気療養中 お大事に
天白さんは元気なお子さんを産んで下さい
次回のご参加を期待しています


─俳句なう─
「第35回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
8月8日〜8月22日締切り  9月8日掲載予定
一人六句まで(1ツイ−ト3句以内×2ツイ−トまで)
兼題は特にありません 自由題(当季 晩夏 初秋)
晩夏や初秋のサムシングを発見して詠んで下さい




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