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あきら「茶柱句会 第三部 第25回茶柱ツイッタ−句会」

─俳句なう─
「第25回茶柱ツイッタ−句会参加作一覧」

(着信順 投句のまま)
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
10月8日〜10月15日締切り
兼題 萩 薄あるいは芒(すすき)秋の燈(ひ)
あるいは自由題(当季 秋)


鉢合はす句会いろいろ萩の寺

老いを生く芒の束の甕並ぶ

ホスピスの小窓の人や秋ともし
(以上三句  大阪市  あきら)


月上げて銀波かがやく薄かな

金木犀秋の灯ともる頃かへり

萩咲くと聞けばもたげる旅ごころ
(以上三句  加古郡 はつを)(代ツ)


新蕎麦や冷たき雨の東海道

行く秋の母の独白女かな

秋耕の杭を打ちまた杭を打ち
(以上三句  鈴鹿市 天白)

字句補足説明
順番に
萩 芒 秋ともし(秋の燈の傍題)薄 秋の灯 新蕎麦 行く秋
秋耕(しうかう)が秋の季語
この萩の寺 大阪府豊中市にある曹洞宗 東光院
境内に萩がたくさん植えられて<萩の寺>として親しまれている
この時期 同じ思いの俳句愛好家らが 吟行に句会にと集まる
新蕎麦 秋にまだ十分熟さない少し青みを帯びた蕎麦を早刈りし
その粉で打った蕎麦 「走り蕎麦」といって賞味する(角川俳句歳時記)
秋耕 稲を刈ったあと 土を上下に鋤き返しておくこと
あるいは裏作のために耕すこともいう(角川俳句歳時記)
この句 杭を打っているので裏作準備だろうか
<耕す>だけなら春の季語 冬なら冬耕(とうかう)


<同人欄>

「十三夜」 あきら(代表同人)vol.13


光速で砂落つ時計秋の暮

崖沿ひに続く墓域や彼岸花

十三夜背中で送る屋台酒

石榴罅ずキャラバンサライさんざめく

10月22日 鞍馬の火祭り
火祭りや帰りの暗く遠きこと

上京の高き梢やくわりんの実

つむじ風運動会の万国旗

字句補足説明
順番に
秋の暮 彼岸花 十三夜 石榴(ざくろ) 鞍馬の火祭り くわりんの実
運動会が秋の季語
十三夜(じふさんや)は陰暦9月13日(今年は10月9日)の夜の月
後の月(のちのつき)の傍題 陰暦8月15日の名月に対して後の月という
古来 この二つの月を併せて祀るのを正式としてきた
前回の稲穂さんの月の句に続く<月の国>のお話
<石榴罅づ>(ざくろはづ)罅づははぜるの文語(終止形)表現
爆ぜるとも表記する 「罅」は「ひび」という意味
キャラバンサライはシルクロ−ドのオアシスに設けられた隊商宿
石榴の原産地はトルコ イラン辺りとされる
火祭りは 鞍馬の火祭り(毎年10月22日)京都市内に帰るにも遠い鞍馬
以下は京都新聞 鞍馬火祭りのブログによる
そもそもは 平安時代中期(940年)朱雀天皇が世の中の平安を願って
御所に祀っていた由岐明神を北方の鬼門鞍馬に遷宮する儀式が発端
鞍馬寺の鎮守社である由岐神社の例祭
遷宮の行列や篝火に感激した住民が主体になって今も運営される
鞍馬寺の山門の石段下に百数十の松明が集結
若者が担ぐ神輿と大松明 京の祭りのフィナ−レは勇壮な火祭り
やはり ここにも拝火教徒の末裔が──
くわりんの実 くわりんは中国原産の落葉高木 果実は長さ10〜15
センチくらいの楕円形 硬く渋みがあるので生では食べられない
砂糖漬け 蜂蜜漬けにして咳き止めに使う(角川歳時記)
つむじ風(旋風)気象専門用語では塵旋風(じんせんぷう)という
日差しの強い日の運動場などで見かける渦を巻く突風
運動会の万国旗がち切れんばかりにはためく 現在194カ国といわれる
国家が風前の灯 戦争にならないことを祈る──


「栗」 はつを(同人)vol.10

栗盆に盛ればこぼるる二つ三つ

ほくほくの銀寄といふ丹波栗

ほくほくの栗どつさりと栗おこわ

誕生日とてあつあつの栗おこわ

毬踏んで飛び出す栗を拾ひけり

字句補足説明
秋の代表的な季語 栗の連作
<銀寄(ぎんよせ)>は大粒の丹波栗の最高品種の名
なにかにつけて秋は栗と共にあるはつをさん
この連作を読めば
栗のお裾分けをいただいたような ホクホク感──


<講評>
茶柱句会主宰 あきら(茶柱ツイッタ−句会代表同人)
今回の参加は3名(212名)参加句数 9句(319句)( )の数字は累計
同人の稲穂さん欠席のため
二同人と鈴鹿市の天白さんとの句会となった
天白さんは一気に30句超掲載を達成されました
数だけでなく句の内容も立派 ここに同人推挙をさせていただきます
改めて同人推挙のお知らせをいたしますので受諾いただきたく存じます
今回の三句はいずれも秀句 
ことに<秋耕の>句は<杭を打ちまた杭を打ち>
と重ねることで秋耕の実感と余情が生まれた
過日 古志でご縁を得た俳人の田宮尚樹さんから 
主宰誌「もちの木 第十号」を恵送された 
その巻末に俳句を志す人への箴言「飯田龍太語録」
<親しんで狎れず>ありていにいうと
<俳句に馴染んでうちとけすぎない>ということ 
新同人になられる天白さんに贈る言葉とします
尚樹さんのご紹介がわりに 2007年の第一句集「截金」(角川書店)帯 
宇多喜代子さんの跋文を引用させていただく 
<「天狼」の即物具象 
「雲母」の自然や人間をいつくしむ内に畳み込んでゆく美意識
「草苑」の主情を基底においた叙情 これらが育んだものが 
いつしか田宮さん自身の力となって
今日の田宮尚樹になっていったように思われます
句作四十年間のよき成果に祝意を表し 
今後もすこやかな句境を深めていっていただきたく思っています>
「截金」は切金と同じ(きりかね)
自句<切金のわづかな光り梅の花>から採られたと「あとがき」にある


─俳句なう─
「第26回茶柱ツイッタ−句会」のお知らせ
10月22日〜10月30日締切り 11月8日掲載予定
一人三句まで(1ツイ−ト3句以内)
兼題は<朝寒><秋深し><秋惜しむ>
あるいは自由題(当季 秋)でご参加下さい
なお震災復興等の影響で掲載日程が変わることがあります
ご了承下さいませ



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