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井上あきら習作篇 その四十七 新春詠三句
謹賀新年 2011年(平成23年)元旦 辛卯(かのとう)


「大旦」
初明り地球の罅(ひび)の湯に掬ふ


初詣原子心母の巫女の舞


大旦象形文字の確固たる




<字句補足説明>
【本稿の季語の説明についてはその多くを
インタ−ネット歳時記「季語と歳時記 5000語検索サイト」
http://kigosai.sub.jp/ に掲載された内容を参照しています
旧暦関係の説明には畏友・松村賢治編著「和のくらし・旧暦入門」
(洋泉社MOOK)にその多くをよっています】

2011年(平成23年)明けましておめでとうございます
一月は旧暦では睦月(むつき)という和名
睦月の由来は「睦び月」立場や年齢などに関係なく睦み合い 
お互いに新年の挨拶をしたり 親族が集って祝う月

一月一日は元日 暦の羅列のようですが 正月のこととて行事が目白押し
一月五日は小寒 二十四節気の第一番 ここからが「寒の入り」
二月三日の節分までが「寒の内」
一月七日は五節句の人日(じんじつ)人の日(新年の季語)
一方「社日」(しゃにち)の「社」は産土神(うぶすながみ)を意味する
春の社日を「春社」 秋の社日を「秋社」という
七草がゆを食べて邪気を払う風習
一月十日は初戎(十日戎)殊に関西では盛ん
一月十一日は鏡開き
一月十四日は寒の入りから九日目(寒九)大阪 四天王寺のどやどや
一月十五日は小正月(小豆がゆ) 左義長(どんど焼き)
一月二十日は二十四節気の大寒 一年で最も寒い時期

今回の茶柱句会は初句会
また一年間お付き合い下さい

昨年十月に始めた「茶柱ツイッタ−句会」も─俳句を遊ぼ─を加え
皆様のお力添えを得て継続させていただいています

今回の主題は「大旦」(おほあした)
一月一日 元旦のこと 大いなる朝のこと 俳句では新年の季語
ちなみに「旦」の文字の由来は 水平線に顔を出した太陽(日)を表す
じつに直裁な象形文字
一方「大」の文字の由来は 人間が手足を大きく広げている象形文字

「初明り」(はつあかり)が新年の季語 
初明りはその年一番最初の日の出(初日の出)のこと
それを地球の罅(ひび)の湯 つまり露天風呂で
手で掬っている 贅沢な正月
「罅」という字 あまり見かけない漢字で恐縮ながら
「皹」では手足の皮膚の亀裂(あかぎれ)程度
地球のひびを表現するのに これ以上適切な漢字が見当たらない
意味は甕(かめ)の割れ目 大地の割れ目 あらゆるものの裂け目
地球に素っ裸で突き刺さりながら初日を掬う という願望

「初詣」(はつまうで)が新年の季語 
ザ・ビートルズ以降に登場した ピンクフロイド(Pink Floyd)
1970年発表のアルバム
「Atom Heart Mother(原子心母=直訳和名)」 は30分弱の大作 
僕はLPが擦りきれるほど聴いた
当時(40年前)原子を原始と違えて受け止め原始心母(げんししんぼ)
=土偶のようなイメ−ジで聴いていた
現在 原始心母に最も近い女性像は巫女ではないだろうか
サイケデリック・サウンド(Psychedelic Sound)の代表格
サイケデリックとは 
幻覚的 幻覚剤によって生じる幻覚状態に似たさま(広辞苑)
つまりかなりヤバイ連中の飛んだ音楽だった
ピンクフロイドの放射能をたっぷり浴びた僕の初詣
巫女の舞を見て浮んだ連想

大旦(おほあした)が新年の季語
大と旦の象形文字の作者に敬意を払う新年の一句
この漢字のようなくっきりとした句を目指したい
(316句目)

<お知らせ>
一億人の俳句という向きもありますが 話半分 五千万人の俳句
俳句は日本語の国民的文芸の一形式 <読めれば詠める─俳句を遊ぼ─>
2010年(平成22年)10月から
twitter上に五千万人の「─俳句を遊ぼ─茶柱ツイッタ−句会」を開始
http://twitter.com/haijin575 から投句できます
@haijin575へのダイレクトメッセ−ジからの参加でも構いません

ハガキに句を書いて投句する方法は いまも全国的な俳句結社で実践中
もとはといえば 明治時代に新しくできた郵便制度を一早く取り入れた
正岡子規のアイデア「郵便俳句」
その進取の気風に倣い ツイッタ−時代の全国句会「茶柱ツイッタ−句会」
ささやかな参加人数ながら 愛媛県 兵庫県 大阪府 愛知県 神奈川県 
東京都など全国からご参加いただいて 今回は「第六回」目
誰でも 何時でも 何処からでも 気軽に参加できる句会です
参加費用は無料です
俳句の優劣を競うコンク−ルの場ではありませんので
審査員も選者もいません 投句されたまま掲載されます
順位をつけたり 特別な賞を授与することもありません(添削もしません)

俳句は生活に「張合い」をもたらしてくれます
もっと大袈裟にいえば「生き甲斐」にすらなり得ます
(俳句の基本ル−ルだけ守り)上手 下手はさておき
俳句を日常生活のレベルで詠んだり・読んだりして─俳句を遊ぼ─
読む(鑑賞)だけでも立派な参加者 ツイッタ−でご感想をお知らせ下さい
今年から 読み手の感想(鑑賞文)欄を設ける予定です
ル−ルは運営しながら随時定めてゆきますが
ル−ルがあるから 皆が共通に楽しめる(遊べる)
楽しむために 俳句といえる基本的ル−ルとして ただ一点

<五七五 十七音の中に(主たる)季語を一つ入れること>と定めます

ツイッタ−に不慣れな家族 友人 知人の依頼による代筆ならぬ
「代ツイッタ−」は(代ツ)と末尾に書き添えていただければ可とします

季語の判定については
インタ−ネット歳時記の
「季語と歳時記 5000語検索サイト」掲載の解釈を基本とします
http://kigosai.sub.jp/

「茶柱ツイッタ−句会」参加者で ご希望があれば その力量に応じて
「個人・茶柱ツイッタ−句作展」(不定期)を開催することも検討中 
主宰にお気軽にご相談下さいませ

将来 投句作品の全句集を印刷冊子化あるいは
電子書籍化することもあり得ますので
作品の著作権は主催者に帰属することをご承諾いただきます 以上


─俳句を遊ぼ─
「第六回茶柱ツイッタ−句会(初句会)応募作一覧」(着信順 投句のまま)
2010年11月22日募集〜11月30日締め切り 2011年1月1日掲載
新春詠一人三句まで(1ツイ−ト3句まで)
兼題「元旦」「正月」「初春」「新年」「去年今年(こぞことし)」
「初空」「初日」「初景色」「初富士」「初詣」「鏡餅」
「書初」「門松」「注連飾」「雑煮」「屠蘇」「自由題(当季・新年)」


<俳句の部>

神さぶる大注連縄や芳しき (大阪市 あきら)

垣根なく詠み読む集ひ去年今年 (大阪市 あきら)

心音を刻む言の葉大旦 (大阪市 あきら)

午前五時ネクタイ直し初詣 (西条市 田所良雄)

淡々と昇りきったる初日かな (西条市 田所良雄)

初空や烏一羽のカァと鳴く (西条市 田所良雄)

佐渡の金舟ごと盗む事始 (加古郡 はつを)(代ツ)

初夢や西施とふたり舟のうへ (加古郡 はつを)(代ツ)

古希の春めでたくもありさにもなし (加古郡 はつを)(代ツ)

初空に誓う言葉は頑張るぞ (一宮市 俳句(ry )


<その他の部>

年が明け年が始まるお正月 (一宮市 俳句(ry )
 
正月と言われば何か?「お年玉!」(一宮市 俳句(ry )


総評  ─俳句を遊ぼ─「茶柱ツイッタ−句会」主宰 あきら
今回は参加者4名(27)投句数12句(74)でした
( )内の数字は第一回からの累計です
新年にふさわしい気の漲った句が並びました
去年今年は 新年を迎え年の移り変わりをあらためて実感していう語
西条市の田所良雄さんの<午前五時ネクタイ直し初詣>
はドキュメンタリ−タッチ
<淡々と昇りきったる初日かな>
初日だからといって太陽は特別な昇りかたをするわけではない
確かに生きてこられた人生の自信に裏打ちされた気概の一句
加古郡のはつをさんの<佐渡の金舟ごと盗む事始>は痛快な仕事始
<初夢や西施とふたり舟のうへ>は俳人冥利につきる粋な初夢
西施(せいし)は中国春秋時代の越の絶世の美女 遊び心満々の古希
<象潟や雨に西施がねぶの花>芭蕉・奥の細道・象潟(きさがた)
での一句を踏まえた練達の作
一宮市の俳句(ry さんは毎回熱心に参加され敬服しています
しかしながら いま一度俳句の基本に立ち返り その上で今年は
<俳句の部>でのご参加を期待する次第です
 
「人生に張り合いをもたらす俳句」─俳句を遊ぼ─
型や約束事が多いからといって
俳句はけっして窮屈で退屈なものではありません
今年からキャッチフレ−ズ─俳句を遊ぼ─をつけ加えました 
俳句から俳句を発想するような俳句の陥穽に陥らず 
発想自在─俳句を遊ぼ─
俳句の基本を踏まえたうえで 囚われない清新な精神で表現 
創造的な俳句なら面白くないわけがない
俳句の殻を破るのもまた俳句の精神 
ミニマル・ア−トのジャッド先生に学ぶのも悪くない・・・


「─俳句を遊ぼ─第七回茶柱ツイッタ−句会」案内
平成23年1月1日募集〜1月15日締め切り 1月22日掲載
兼題等詳細は 12月8日掲載の「第五回句会」報告もご参照下さい
新年の兼題とほぼ同じです「自由題(当季・新年・冬)」でも結構です


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暮らし方研究会
http://www.kurashikata.gr.jp

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