道草其の三十五
みらい -12-
「あぶなかったね!
あいつらの話しを聞き出すと
永遠にあの場所から
動けなくなってしまうんだ」
少年の目の前に
闇のように黒いものたちが
4人いた
「僕の名前はリトマ
小さいのがマルコ
そのとなりがコルネ
大きいのがネルタ
君はなんていうの?」
少年がモジモジとして黙っていると
リトマが続けて聞いた
「君は<家>から来たんだろ?」
「イエ?」
少年は小さく呟(つぶや)いた
「知ってるよ。
上の世界には
たくさんの<家>があって
そこには番号で呼ばれている
子どもたちと
世話をするロボットがいるってこと」
「僕は 僕は 8番って……」
「どうしたの? 誰か来たの?」
少年が喋りだすと同時に
4人のうしろで
一際(ひときわ)大きな闇が動いた
<つづく>
<じゅんぺい>
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