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道草其の四十
みらい -17-

突然スクリーンが暗くなり
砂嵐のような画面になったと思ったら
そこに人のような形が浮かび上がった



「だれ? だれなの? そこにいるのは?」

女性の声が部屋に響きわたった

スコピィは
あわててマイクに向かって
叫ぶように喋った

「こちらスコピィとエイト! こちらスコピィとエイト!
 聞こえますか? あなたはだれですか?
 そこはどこですか?」

「わたしは砂の国のムスミン
 あなたたちがいるのは
 海の底のトシね
 わたしがいる場所は」

そこまで喋った時
声に雑音が混じり始め
女性の声は切れ切れにしか
聞こえなくなった

「そこから・・・・・・・・・輝く星・・・・・・
 ・・・・・・・南へ・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・小さな島・・・・・・・・・トンネル
 ・・・・・・・・・・・・・・ち・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ」

スクリーンの画面が消え
声も聞こえなくなった

「よし! でかけよう!」

スコピィが目を輝かせながら
少年に言った。
<つづく>

<じゅんぺい>

谷口純平想像力工房
http://sowzow.com/

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道草其の四十
『みらい -17-』
突然スクリーンが暗くなり

道草其の三十九
『みらい -16-』
向こうは朝で こっちは夜?

道草其の三十八
『みらい -15-』
潜水艇はゆっくりと上昇すると

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