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道草其の三十一
みらい -8-

長く暗い道を行く少年の前に
最初の分かれ道が 現れた

少年は 迷った

鏡に映したように 正反対だけれど
何もかもが同じで
二つの道は 外側に向かい
  ゆるやかなカーブを描いて 延びていた

「迷ってるね」

ふいに右側から声がした

「迷ってあたりまえさ」

今度は左側から



少年は驚いて声のする方を見ると
通路の壁に開いた四角い穴に
二つの目のようなものが キラキラと光っていた

「誰!?」

少年は大きな声で 言った

「だれ?」

右の目が少年の言葉を繰り返した

「ぼくのこと?」

左の目が聞いた

右「そうだな」
左「考えるまでもないけど」

右「あえて言うなら」
左「あえて言わなくても」

右左「ただ ここに いるもの さ」

<つづく>

<じゅんぺい>

想像力工房
Illustration →http://sowzow.com/
Design →http://sowzow.com/design/

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