道草其の二十七
みらい -4-
突然現れた機械たちに
驚いた子どもたちは
一目散にレディーナの後ろに隠れたが
長く伸びる機械たちの腕が
二人の子どもをつかむと
胸に開いた穴のような場所に
無造作に入れて
慌ただしく立ち去っていった
機械たちが立ち去ると
子どもたちは
まるで何事もなかったかのように
レディーナのまわりで遊びはじめた
ただ一人少年を除いて
少年は聞いた
「ねえ、レディーナ
今の機械は何なの?
僕の友だちは
どこへ行ったの?」
けれど
レディーナは
何も答えなかった
それから
幾度となく機械たちはやってきて
一人また一人と
子どもたちを連れ去った
そしてある日
少年だけが
残った
<つづく>
<じゅんぺい>
想像力工房
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