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道草其の二十六
みらい -3-

種子のひとつが
掬(すく)いあげるようにして
少年を乗せると
風に乗り
空に舞い上がった

石の広場がみるみると遠のいていく

「ぼくは どこにゆくのだろう?」




少年は
風に運ばれるタンポポの種子の上で
旅の始まりの日を想った


同じ形をした家が建ち並ぶ街の中
その一軒の家で少年は
自分と同じ顔、同じ背丈の8人の子どもたち、
そしてレディーナとみんなが呼ぶ
身の回りの世話をしてくれる
機械と一緒に暮らしていた




朝起きて夜眠るまで
一日は規則正しくレディーナによって進められ
それは来る日も来る日も変わらなかった

(「そうだ、あの頃、
  <ぼくはここで何をしているのだろう>と
  思ったことがあった」)

ある日
少年の住む家の前に青い車が止まった
中から青い機械が2体現れて
乱暴に扉を開けた

<つづく>

<じゅんぺい>

想像力工房
Illustration →http://sowzow.com/
Design →http://sowzow.com/design/



道草其の四十
『みらい -17-』
突然スクリーンが暗くなり

道草其の三十九
『みらい -16-』
向こうは朝で こっちは夜?

道草其の三十八
『みらい -15-』
潜水艇はゆっくりと上昇すると

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