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道草其の二十四
みらい -1-



白いものたちが言った

「みらいとは まだ来(こ)ぬ時間
 みらいとは 「夢」や「希望」
(あるいは正反対のもの)が指し示す場所」

白いものたちの足下から伸びた
黒いものたちが続けた

「いやいや そうではなく
 みらいとは 積み重ねて来た 時の集積
 不断の実行
   あるいは
   やりすごされた思いによって
 立ち現れる 時の姿」

旅の途中 堅い石でできた広場のような場所で
少年はお腹が空いて空いてどうしようもなくなり座り込んだ 
その途端に彼らは現れ
少年に向かって喋り始めたのだ

「みらいとはつまり」
再び白いものたちが喋り始めようとするのを遮って
少年は言った

「ちょっとちょっと待ってよ!
 みらいの話はもういいから
 何か食べるものないの?
 話を聞くより
 お腹をいっぱいにするのが先だよ!」

すると白いものたちと黒いものたちは
口を揃えて

「赤から陽の沈む方角へ99
 頬にあたる風の方角へ99
 対角線上の緑を99
 再び現れる赤の上で
 3度飛ぶ」

と 謎めいた言葉を残して消えた

<つづく>

<じゅんぺい>

想像力工房
Illustration →http://sowzow.com/
Design →http://sowzow.com/design/



道草其の四十
『みらい -17-』
突然スクリーンが暗くなり

道草其の三十九
『みらい -16-』
向こうは朝で こっちは夜?

道草其の三十八
『みらい -15-』
潜水艇はゆっくりと上昇すると

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