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道草其の二 『スーパーマーケットへ行こう』










さて、
『この町には、スーパーマーケット<※1>はたったの一軒しかありません。』と町の住人の誰かに言われたとしたら、僕はきっと途方に暮れて、とても寂しくなってしまうだろう。一軒のスーパーに十数年も通い続けている、ある漫画家のエッセイを読んだことがあるが、僕にはとても考えられない。

引越しをして新しい町に住みはじめると、仕事の合間に自転車や徒歩で、東西南北あらゆる方角へ、僕はでかける。入組んだ路地をぬけられずに、もちゃもちゃと徘徊したり、たくさんの車が走る埃っぽい大きな幹線道路沿いでキョロキョロしたりして、そしてスーパーマーケットを見つけると、嬉々として逸(はや)るこころを抑えつつも、僕は入口めざして突進してゆく。

 1年もそんなことを続けていると、頭の中にすっかりスーパーマーケットの地図ができあがってしまう。
 できあがってしまうだけではなく、スーパーマーケットの品揃えなんかも、その地図と一緒に頭の中に記録されてしまい、どういうものが置いてあるか完璧ではないにしろ、だいたい判断できるわけで、「だからどうしたの?」と思われる向きもあるだろうが、まあ、僕のスーパーマーケットライフには役立つわけだ。

ただし、品質や安さにとことんこだわってスーパーマーケットを探すわけではない僕の、そんな情報の中には、例えば『魚が安い水曜日』だとか『火曜日の100円均一セール』、はたまた『月曜厳選肉の市』などはインプットされておらず、有機野菜のコーナー、商品を作った人の顔・プロフィールなどが掲載されているコーナーにも、とんと興味がない。
 「じゃあ、何の役にたっているの?」とつっこまれると、二の句に詰まるが、そのあたりのことは次号にあらためて書いてみたい。

なんとなくキーワードとして思い浮かぶのは『環境』という言葉かな。「え?スーパーマーケットが環境?えらい大げさやなあ!」まあ、あわてないで次号を待ってみて下さい。ひょっとしたらスーパーマーケットに僕の道草の神髄が隠れていたりするかもしれないので。乞う御期待!





<※1>最近の都市部のスーパーは、ある程度の大きさの建物の中に、食料品、生活用品、日用雑貨、衣料、電化製品、植物等を複数階に置いているのが普通だが、1階のみのスペースに、フロアを棚で分割してそれらの商品を置いている所もたくさんある。一つのビルの中に電化製品と食料品、などという変わり種も最近できた。また、比較的大きな道路沿いにはドラッグストアを基本にして、そこに食料品を一緒に置く店も増えてきた。D.I.Y用品と食料品なんていう店もあったなあ。百貨店から分化、あるいは商店街の小売店が多様・多角化して発生してきた(と推測される)スーパーマーケットの姿は、基本的になんでもありだと思っている僕は、もっといろいろな品揃えのヘンテコリンなお店が生まれてほしいと熱望している。

道草其の十
2009年の始まりに
『質問! 養老孟司さん』

道草其の九
『GPS脳』

道草其の八
『誰も知らない街へ』

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