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其の六十一 冬の眠り
柿、梨、山葡萄、
丸い団栗、細長い団栗、胡桃など、
木の実をたらふく食べまして、
蜂の巣をいくつか貪れば流石に腹もくちくなりまして、
そろそろ眠くなりましょう。
早く早く、見当をつけていた山の奥へ、
そのまた山奥の大きな木の洞へと向かいます。
枯葉、枯草、小枝や蔓を敷き詰めましたら
トントンと大きな掌で整えて
体を丸めて眠ります。
ぬくい春までお休みなさい。
蛇、蝦蟇、蜥蜴、家守、栗鼠、熊、
そして魚。
私も遠い昔、冬眠る生き物だった時があったでしょう。
今は冬眠できないのが残念です。
冬、眠る仲間達の為に、
森も山も海もこれからも
ずっと続いてありますように。
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