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其の六十二 動物好き

動物が好きなのだが
特段、動物に可愛い服を被せて嬉しいとかいう趣味はなくて、
いろんな生き物に、ただ無闇に興味がある。
できれば近くでよく見たい。
できれば少し仲良くしたい。
だから生き物が、いつもそばにいる生活が好きなのだと思う。
その為、犬やら猫やらを飼うことが多いのだ。

死なれた経験が辛くて
もう飼わないと言う人がいるが
私はそんなことはない。
その時は辛くてもすぐにまた飼う。
懲りずに何度でも飼う。
子供の時からずっとそうしてきた。

考えてみると家庭で飼えるような動物の寿命は、
人間より大概短いのであって、
動物を飼わない人に比べたら、
私は生き物に死なれた経験がとても多いということになる。

それから、
ロボットやら画面の中のなにやらと違って、
もの食う生き物は排泄をする。
当たり前だが日々する。
家庭内で排泄物を放って置いたら臭いし汚い。
動物も不都合そうなので
糞尿の始末もしなければならない。

生き物を飼う人生は、飼わない人生の何倍も
糞尿と死体に付き合わなければならない。
悍ましいが本当のことだ。
でもそれだから飼わないという選択はないのだ。

森と海は、死体と糞尿に溢れているはずなのに、
美しくて良い香りがする。
糞尿と死体を受け取らない森や海があったとしたら、
こんなにも美しくないと思う。
それはもう森でも海でもない。



其の七十二
十分にご注意ください

其の七十一
一本木

其の七十
ダイヤと法灯

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