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其の三十三 商店街の地図
ただの盛土だったところに大きな新道が作られた。
盛土の下には交差するトンネルが作られた。

其の三十二 散 歩
当時、我が家の裏には畑が広がり、その中の道を通って商店のある通りに抜けた。

其の三十一 卒業文集
出した作文は卒業文集にするという。題目は「私の生き甲斐」だという。

其の三十 落し物
ぐるりと一回りして戻って来たが、やはりその鞄はその儘であった。
深夜の犬の散歩のことである。

其の二十九 赤い毛糸
北側の四畳半は、縁側から建増しした工場へとつながった造りになっていた。

其の二十八 自慢
祖母の数ある自慢の一つは、「昔、近所に上田馬之助が住んでいた」ことだ。

其の二十七 正月
正月三が日は誰も働いてはいけない。

其の二十六 苔玉
家族はいつも止まっていない。
家族は物質じゃなくて現象だから、家族はいつも流れている。

其の二十五 倒れる
またまた深夜の犬の散歩である。

其の二十四 バドミントン/赤ん坊
祖母の姪っ子が新潟から東京に出てきた。

其の二十三 火事
十二月の三十日というのは大晦日ではないが、
大晦日の一日前であることからして、さらにもっと往生際の悪い慌しい日である。

其の二十二 手形 手形やら小切手やら。現在、かつかつの暮らしながらも、
そうした物に縁無く暮らしているということは大層有難い。

其の二十一 手
其の頃の夜と言ったら今とは比べようもなく、早くて堅固で侵し難い夜であった。

其の二十 食事量
仕事机の上に置かれた濃い桃色のセルロイド製小物入れ。
クリップなどを入れて使っているこの楕円の小物入れは、私が幼稚園の時に使っていたお弁当箱だ。

其の十九 理由
自分の前世が犬ではないかと考える理由を思いついたので挙げてみることしにした。

其の十八 咳
煤煙の町で町工場を営んでいた上に祖母は煙草のみだったので、いつも咳き込んでいた。

其の十七 ひろ子
小さな拵えの仏壇には、位牌と古びた写真が並んでいた。
おさげ髪に着物姿の娘さんの写真が入っていた。

其の十六 傷跡
祖母は右手の小指が曲がっていた。

其の十五 妖怪城
駅から20分、しかも上り坂である。夜闇で途中は真っ暗だ。
歩きたくないのでタクシーに乗ってしまう。

其の十四 名古屋
祖母は年の離れた末の妹と、大層に仲が良かった。

其の十三 写真
日本中の古びたアルバムの中、いったいどれぐらいあるのかわらかないが、
おそらく、くらくらするほどの枚数であるにちがいない。父親が撮影した子供の写真の話である。

其の十二 正座
深夜に犬の散歩に出かける。

其の十一 茄子
再び、火鉢の話である。

其の十 小豆を煮る/漉し餡/おはぎ
漉し餡でも粒餡でも、小豆はごみとりから始まる。

其の九 化かす/地蔵/小刀
狸、狐は人を化かす。川獺、鼬も人を化かす。鼬はね。笑うんだ。

其の八 擂鉢と擂粉木
白和えの豆腐、胡麻よごしの胡麻、とろろ、茹で大豆、つくね、鰯。

其の七 電話ボックス
動物を飼育してはいけないマンションに住んでいる。

其の六 みよ/お茶とお米/朔日
明治33年3月3日生まれだから「みよ」。

其の五 弁慶草
草や花の名前に文句をつけることほど馬鹿馬鹿しいことはない。しかしこれはいけない。

其の四 火鉢<2>
毎朝、炭を熾した火鉢の五徳には大きな鉄瓶が乗っていて、終日、湯が沸いていた。

其の三 火鉢<1>
祖母は、朝起きると一番に「炭」を熾していた。

其の二 係累
私は東京生まれだが、父方の祖父母は熊本県玉名郡の梅林という山奥に住んでいた。

其の一 前世
「前世」というのが流行っているようだ。

其の三十六
御小遣い

其の三十五
引越しの日

其の三十四
海の向こうの町

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