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其の六十 ふざけた話

会議の席であれやこれやと皆で検討していた。
一人が「この提案はやめておきましょう。
ふざけていると思われるかもしれないので」
と言いそのアイデアは止めて他のアイデアを検討することになった。

私は軽く驚いた。
そのとき改めて「ああ、ふざけることはいけないことなのか」と理解した。
そう云えば今までも怒ったお客さんや上司や仕事仲間から
幾度となく「ふざけるな」と教えられていたかもしれない。
しかし、その時は事態の始末やら対応に気を取られて
その指摘に正面から向き合っていなかったという事である。
その言葉を正しく受け止めていなかったようだ。

多くの場合、多くの人はふざけることに対して
あまりよくない印象を持っているようだ。
ふざけるよりもふざけない方が良いと考えているのだ。
これはとても新鮮な驚きだ。
仕事を失うのも稼ぎが減るのも免れたいので大勢には従うことにする。
公にふざけるのは控えよう。

と思ってはみたが、矢張り、
或る時はパルチザンのように或る時は調査兵団のように勇敢に
一生ふざけて生きていきたい。


其の七十二
十分にご注意ください

其の七十一
一本木

其の七十
ダイヤと法灯

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