其の二十七 正月
正月三が日は誰も働いてはいけない。 雑煮に入れる鶏肉、小松菜、なるとも大晦日の晩のうちに、 祖母や母がお節料理の用意をしながら、切り分けて笊に入れていた。 正月は、包丁はもちろん、鋏や針なんぞも使ってはいけないのだ。 朝からご馳走を食べて、お酒を飲んだ。 炬燵に入って蜜柑を食べたり、テレビを見たりする。 しかし、 大晦日には紅白歌合戦を見ていなかったような気がする。 大概、裏番組を見ていたような気がする。 やはり、すこうしだけ臍のつき方が曲がっている家族だったのだろう。
其の七十二 十分にご注意ください
其の七十一 一本木
其の七十 ダイヤと法灯