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其の二十四 バドミントン/赤ん坊

『バドミントン』

祖母の姪っ子が新潟から東京に出てきた。
弓子ちゃんという、
小柄でコロコロとした愛嬌のある可愛らしいお姉さんだった。
美容院に住み込みで働く為に、東京に出てきたという話であった。

私と妹は美容師を目指す弓子ちゃんが、
たまの休みに我が家へ遊びに来るのがとても楽しみであった。
来ると決まって、家の前でバドミントンをして遊んでもらう。
遊んでいると祖母もやってきて加わった。
強烈に羽を打ち込んでくる祖母は
「子供の頃から羽根突きではいつも負けなかった」そうな。
「それから、馬車にも自転車にも、自動車にも、電車も汽車も、
船も飛行機にも乗ったことがある」
と祖母は言った。
弓子ちゃんはいつもニコニコと笑っていた。
風の強い日はバドミントンで遊ぶことは出来なかった。

あるとき、弓子ちゃんは男の人と我が家にやってきた。
日に焼けた細い体つきの男の人だ。
その日はバドミントンはしなかった。


『赤ん坊』

しばらくして、今度は赤ん坊を抱いた弓子ちゃんが
遊びにやって来た。
祖母は目を細めて「ああ、可愛いねえ」と抱っ子したり
口を尖らせて何やらつぶやいたりしていた。

弓子ちゃんの旦那さんは飛行機の修理をする仕事だそうだ。
旦那さんの仕事の都合で、弓子ちゃん一家は
飛行機会社のある遠い街に引っ越していった。

祖母は赤ちゃんを抱っこできないのが残念そうであったし、
私たちはバドミントンはもうずっとしていないけれど
寂しい気持ちだった。

其の三十八
太田道灌

其の三十七
子 供

其の三十六
御小遣い

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