夢見る大人のWEB MAGAZINE
茶柱横町入口へ
斎藤忠徳のページへ ジュミック今井のページへ 小泉直子のページへ 古山拓のページへ にしごりるみのページへ 松元まり子のページへ 梶原初映のページへ おたこのページへ 小谷中 清のページへ 白やぎ黒やぎのページへ オオノ・マユミのページへ 清水 大門のページへ 沼尻 昌子のページへ 藤原 寿子のページへ ふじわら かずえのページへ 小幡 亨のページへ 山田 博之のページへ 坂東 信一のページへ
みたけさやかのページへ サイトウトモミのページへ 赤江橋洋子のページへ 井上明のページへ 仔鹿リナのページへ まえがまちえのページへ キムテイのページへ 大野舞(デナリ)のページへ 荒木典子のページへ フクチマミのページへ 本庄慧一郎のページへ 田中ひろみのページへ 岩井美代子のページへ 柏木敬太のページへ 大森 秀斗史のページへ 銀扇のページへ 山森 洋一のページへ 谷口純平のページへ
茶柱横町入口へ
 
 
プロフィールを見る
前を見る 次を見る

其の五 弁慶草

草や花の名前に文句をつけることほど馬鹿馬鹿しいことはない。
しかし、これはいけない。
「金のなる木」だという。
金は欲しいが金のなる木なんぞは欲しくない。
志が卑しい。
己の卑しい志を姿形のあるものにして見せ付けられているような気分になり、
甚だよろしくない。
この肉厚の濃い緑の葉をつけたずんぐりむっくりな草だとて
己の名前が「金のなる木」だと知ったら面白くはないだろう。

そう思って繁々と見ていたら、どうやらこの木には見憶えがある。
「弁慶草」ではないか?
間抜けな名前で呼ばれている道化を、よく見たら昔馴染みの知人であり、
目立って派手な容姿でも家柄でもないが
其れなりに地道に生活していた筈ではなかったか。
と声を掛けたいような知らん顔をして通り過ぎたいような気分である。
「弁慶草」という名前のほうが清々しくも風情がある。

子供の頃、できものができると、
庭の弁慶草の葉を一枚もいできて火鉢で焙った。
すると次第に色が変わり、青々と煮えた菜っ葉のような色になる。
そこで、薄皮を剥いでやると肉厚の葉の瑞々しい面が顕になり、
それをおできに載せて上から絆創膏を貼って抑えておくのである。
これが祖母のおできの治療法であった。
できものは腫れきっていれば膿が出て一件落着し、
あるいはそこまで育ちのよくないおできは諦めて平らかになり、
非常によく効く治療法であった、という思い込みの話である。
はっきりとした証拠は出せない。

其の三十八
太田道灌

其の三十七
子 供

其の三十六
御小遣い

バックナンバーINDEXを見る
前を見る 次を見る
| 著作権について | このページのトップへ | 茶柱横町入口へ |
2005-2009(c)CHABASHIRA YOKOCHO All Right Reserved