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第112稿 名前がわからない映画監督『 勃起・・・ 』

 10年ほど前・・・何方であったのかどうしても思い出せない。テレビの画面には女性アナウンサーがお通夜の様子をレポートしている。レポートの内容は一切記憶に無いがその背景には 『勃起せんようになったら男はおわり』
と大きく書かれた文字だけを覚えている。

 勃起と聞くと、大概の人は性的な解釈をする。いや待てよ、ニュースになる映画監督の訃報である。言葉を置き換えてみれば
『興味を持たん様に成れば人間はおわり』
と、解釈できる。

 子どもは、「何で何で」と聞く、爺さんや婆さんは何かにつけ「興味が無くなった」と。

 たまに、法事の席で次の話をする「助平になりなさい、金に執着しなさい」と。

 年齢関係なく私どもは異性にかっこよく見せたい。が、男女違わず年配の方々の服装の彩りは決して華やかでは無い。どちらか言えば明るさを失った「寒色」のオンパレード。

 お金の話をすれば、僅かな老齢年金から介護保険料の天引き、病院の薬代と交通費の話。現実の問題ではあるが、家の横で日向ぼっこしながら論議しても現実は変わらない。

 変えることの出来る現実の話。
 先程の「助平になりなさい、金に執着しなさい」である。

 助平になれば、異性にかっこよく見て貰いたい。ならば、押し車の取っての高さを少し高くし、曲がった腰を少しは伸ばし。杖はステッキ風に使う。燻った色彩は卒業し鮮やかな配色の服装に着替える。である。。
財布の中身を毎日勘定する。多くなったり少なくなったり、帳簿は要らない。前日の数字だけ覚えていれば事は足る。増減は、ハテ何に使ったか考えれば良い。

 「そうやな」と返事はあるが、一度たりともトリコロールカラーは見受けたことは無い。寂しい限りである。

 と言う自身も、その世界にぼちぼちと足を踏み入れる年代になっている。注意である。

 唯、未だに物事に対して興味は薄まらない。解らない事も多い、知ろうとする事も多い。まだまだ、勃起は収まらない。いや、違った。還暦一歩手前ながら色々な事に興味は尽きない。

大門 合掌

何方か、映画監督のお名前ご存知の方教えてください。

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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