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第116稿
「正月」と「障月」

 拙寺には、犬が二匹住んでいる。2匹の犬には、そもそも正月という概念はない。当然、彼岸もお盆も無い。当たり前のことである。

 1匹は、人が来ると吠える。もう1匹は、車輌・オートバイ等エンジンの音が聞こえると吠える。 ハイブリッドの車輌にも吠える。
 おかげで、此方はどちらが吠えるかで区別がつく。実に便利である。躾けたつもりはない、知らないうちにそうなっていた。

 私が車で帰ってくると、姿を見るまで吠えている。姿を見ると、バツの悪そうに吠えている語尾がややこしく為る。

 生き物であるから、季節の変わり、明るい昏いは人間と同じ感覚で受け入れているだろう。唯、違うのは日時・経済・思想等々そう言った部類は持ち合わせては居ない。はずだ。だろう。じゃないかな。

 斯くして、暮れは過ぎ去り。元旦を迎える。犬にとっては、唯寒い時期と言うことで終わる。

 ところで、なぜ「正月」と言うのか?「1」「月」でなく、わざわざ「正」「月」なのか?犬に聞いても、返事はしない。

 大晦日続いて正月と、用事は多い。其の準備と片付けで「ドタバタ」「ドタバタ」。犬にとっては、人間の都合に巻き込まれ落ち着いて寝てもいられない「障月」かも知れない。

大門 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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