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第92稿 根っこ掘り

 境内には三本の大きな木が有る。樹齢400年程の「もっこく」、ほぼ同じ樹齢の「なぎ」。この二本は自生であろう。もう一本は「公孫樹」、毎年銀杏を提供してくれる公孫樹は先代の和尚さんが植えた物である。おおよそ、100年程になる。

 もっこくは、幹周り2メーター程、本来育っても150年ほど。木としては短めな寿命である。唯此のもっこくは人間の寿命から言えば200歳を遙かに超える。赤芽と青芽が有る。青芽は大きくも成るし寿命も長い日本中を探せば意外と多く見つけることが出来る。和歌山で赤芽のもっこくで国の天然記念物がある、赤芽で幹周り1メーター程か。境内に生えてるもっこくも赤芽である。随分前に国の天然記念物にと、其の手の機関の方に言われたが断った。此の木は枯らすわけに行かず、毎年京都から植木屋さんに来ていただいて手を入れている。おかげで、又100年ほどは生き延びるであろう。

 なぎは、育つと700年以上は生きている。人間で言えば現在50歳ぐらいに成る。西側部分の幹が枯れてはいるものの元気である。

 先代さんの植えた公孫樹は、10歳の頃庫裡の裏に育てた物を移植したとお話を聞いている。先代さんは、後数年で100歳になる。悲しいかな、公孫樹杏はシロアリの被害には勝てず、植えた先代さんには申し訳ないが先般切り倒した。根回りや根元に巣を作られると、如何ともしがたい。いずれ、親父風(台風のこと。地震雷火事親父のオヤジです)で倒木するのを待つか待たないか、時間の問題。



 切り株を、そのまま記念に残していくことも考えたが掘り起こすことにした。株に薬を入れても根には回りきらない。いずれ、シロアリの巣になっていく。太い根っこは差し渡し30センチほどにも成っている。簡単には作業は進まない。杉や檜などは地面の表層部分に根が伸びる。之は少々大きな株でも、そう困るほど手間は掛からない。公孫樹は直根がある。下に向かって根が伸びていく。一本づつ切っては取り除くしか無い。木を見上げ大きな枝が10本有れば、根っこも10本有る。朝から夕方まで掛かって2本根っこを取り除ければ満足である。。
そんな作業を、年越しまでには終わるであろうと算段していた。が、朝から夕方までここ10日程続け意外と早く掘り起こせた。

 さて、この根っこどうした物か。遊びの仕事は、果てしなく広がる遊びの妄想を産みだす。

 ここに腰を降ろして、毎年銀杏は豊富で有った。来年からは行事に配ったり食べたり出来る自由な銀杏は無い。裏山の彼方此方に種を撒いた銀杏は自然に任せて育っては居るが、葉の形状は「雄」ばかりである。ヤレヤレ・・・

ダイモン 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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