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第81稿 
仕草一考 
・・・ツツミモノ ネジッテ マワシテ・・・

 お寺へ持って行く「ツツミモノ」は、どの様な意味合いで持ってこられるのだろうか。拙寺だけでは無いだろう、ほぼ間違いなく「不祝儀」のツツミモノである。つまり、葬儀、法事、御供え、喜捨等々・・・日本津々浦々、お寺=白黒(水引の色)。赤(紅)白で差し出される方は皆無に近い。極僅かにその辺の礼法を心得ている方は居られる。
 礼法などと言うと、すぐさま拒否反応が出てくる私にとっても理屈を理解すれば至って簡単な形式となる。平安時代の頃から試行錯誤の末江戸時代に完成されたと聞く。今日でも小笠原流礼法の名前は何かに付け聞くことが多い、礼法の流れは一派では無い。江戸時代、武家社会に取り入れられ小笠原礼法は今日に至る。細かいことは各自お調べ願います。

 話を戻し、なぜ御布施のツツミに白黒の水引を掛けるのか。礼法からすれば赤(紅)白である。熨斗は付けない。結び方は、結び切り(眞結び)になる。
 過ぎたお盆にお預かりした数々の御布施には礼法に従った「折り紙」のツツミモノは、一つを除いて総てヤレヤレ。いっそのこと封筒の方が気楽で簡単で良い様に思う。
 オマケ 白黒の水引に一つ「香奠」の名目で御供えがあった。今のところ私は息をしている。サテ、ドナタガナクナッタヤラ???

 雑巾を絞る。単純な行為であるが、以外と奥が深い。雑巾を縦に絞るか、横に絞るか。はたまた、蛇の皮を剥くが如く水を切るか。
 お茶のコマーシャルで宮沢りえが雑巾を絞っている場面がある。母に習ったのか、監督の指示かそこは分からないが縦に絞っていた。
 拙寺も、年末に大掃除で檀徒のおばさま方がお手伝いに来られる。見ているわけでは無いが、縦に絞る方は少ない。さすがに、蛇の皮むきをする方は居られない。縦に絞るのは、理にかない、仕草も上品になる。

 是も、コマーシャルの一場面、セサミンの広告。若い坊さんが特注だろうか、其れは大きな大きなすり鉢を正面に一生懸命ゴマを擂っている。擂粉木はリズム正しく、時計回り。いや待てよ、反時計回りでは無かろうか。立派な広告も台無しである。監督の責任では無いだろう、すり鉢を使うことの無い食生活をボンサンがさらけ出しただけである。
 受信料ハラヘハラワントモメハル「放送法に基づく特殊法人」制作放映「平家物語」。NHKの大河ドラマと言えば、時代考証もしっかりしている。ところがどっこい豈図らんや期待は裏切りませんスットコドッコイ、石臼をこれまた時計回し。何十年も前の場面であったが未だに記憶している。

いずれにせよ、ツツミモノも、雑巾を絞るも、擂粉木を回す方向も好き勝手無茶苦茶。

知り得て無駄は無い、日本の文化を少しだけお互いに興味を持ちませう。

ちなみに、世逃げした奥方も教えるまで擂粉木時計回し、その母親は反時計回り。文化の伝播はどこでずれるのか。何かと、興味は尽きない。
大門 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

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