茶柱横町 茶柱横町入口へ
 
 
プロフィールを見る
前を見る 次を見る

第48稿 彼らに、悪気無し

燕と蛇
 三羽にセッセと親鳥は餌を運ぶ。それもここ最近は、巣立ちを促がしているようである。餌を運ぶのも大変であろうが、親鳥とのタイミングが合わなかった糞は、当然巣の下をうろつく私の片付け作業となる。七羽の時も三羽の時も掃除の手間には変わりがない。
 そして必ず、蛇がやってくる。2メーターに近い青大将でも悲しいかな、身を伸ばしても巣にまで届かない。親鳥は、巣の周りを飛び回り警戒の鳴き声をあげる。下をうろつく人間は見てるだけ。只、マムシの時だけは駆除している。

猪と落石
 ここに住みだして早17年。昨年まで境内に猪の足跡がつくことはなかった。今年は違う、裏山から境内を抜け墓地にまで進出。
 先日、闇夜何気なしに犬の散歩がてらにに出ると何時もとなく犬が吠えるのでそちらを懐中電灯にて照らすと、80〜100cmほどの大きな猪が10メーター程離れたこちらを見ている。さて、どうしようかと思案するまもなく山に姿を消した。
 ミミズを探しているのだろうか、墓地や石垣の際をほじくり返し参道に石を落とし、百合を掘る。翌日片付けるのは二本足。

鹿と樹皮
 ほぼ毎夜、お参りに現れる。猪と違い境内には足を踏み入れない。山に食べるものが無いとは思えない。お寺の周りお口に召す樹皮をひたすら食べていく。裏のアジサイは花も葉も食べ尽くした。タケノコも猪に負けず食べた。奈良の春日山ではないが鹿独特の糞が落ちている。糞は二日せぬうちに虫が片付ける。樹皮を無くし枯れた樹は言うも更なり。

カボチャと猿
 猿を捕獲した証拠に尻尾を持って行けば、一本(一匹)1万5000円と聴き銃の所持許可を真剣に考えたが、掛かる経費でどれだけカボチャが買えるのか。計算するでもなくボンサンの仕事では無いと方向転換。
 しかしなんだ、お互い食べる部位が違うではないか。種だけ食べるのだから少し待ってくれ。といっても、意志も言葉も通じない。中身も出来ていない種だけ食べて後は捨てていく、本堂や庫裡に入ってこないだけまし。片付けは・・・ヤレヤレ彼らに、悪気無し。

だいもん 合掌

―第118稿―
「張暑飽閉」の「春夏秋冬」

―第117稿―
春のお便り

―第116稿―
「正月」と「障月」

バックナンバーINDEX
前を見る 次を見る
| 著作権について | このページのトップへ | 茶柱横町入口へ |