23 木のある家にて
梶井基次郎の『城のある町にて』から
このタイトルは出て来たのだろう
喧噪に満ちるこの新宿の町は
梶井の描いた町のおだやかさからは
最も遠いところにあるだろうけど
庭の木との付き合いは
この家が最初ではないが
自分で枝を落とし
自分で実を収穫し
自分で落ち葉をかき集めるといった
一年中付き合う木は初めてだ
しかも二本
いや柿の木以外のものも
大きくなってきたので
二本どころじゃないなあ
これほど密に付き合うと
植物ではあるが
動物に抱(いだ)くのと同じような
感情というか
こころの状態を木に対しても抱くようになる
枝を落とす時
実を取る時
「ごめん」だとか「ありがとう」と
自然に声をかけて話しかけるのは
自分の中では当たり前の事となった
が
異種族故(ゆえ)
僕の言葉は通じないだろうし
また
木の気持ちもわからない
庭から見上げたり触れたり
ベランダから見たり
手を伸ばして触れたり
木との交流は
僕のこころの中で
どんな化学変化をおこしているのだろうか
<じゅんぺい>
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<つづく>
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