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52 昔話 <7>

自分の昔話をする人間にはなりたくないと、10代や20代の時は思っていたものだ。
しかし、考えてみるまでもなく、現実に生きて来た時間の事を喋るなら、それはいつだって昔話なのだ。

<遊び場 その3>

父の仕事の関係で
瓦屋町三丁目にある
M自動車の社宅に住んでいた

北と東は墓地

北の墓地と社宅の間に
幅2メートル、長さ30メートルほどの
細長いスペースがあって
そこには土があり石があり雑草がはえていた

時々そこで一人遊んだ
石を並べたり
雑草を触ったり
土を掘り返したり
虫をとったり
一人延々と遊んで
あっという間に夕方になる

大人になってから
いろいろな家に移り住んでは
裏に回って何やらごそごそする性分は
この時すでにあったんだ
「何が楽しいの?」
と言われても困る
楽しいからそこにいて
一人でいて
ごそごそするのだ

詩的に言えば
そこで
永遠とも言える時間をすごすのだ(笑

みんなとがやがやと遊ぶのも大好き
でも僕からこの一人遊びを取り上げたら
もうそれは僕ではなくなっていただろう

さて まだまだ遊び場はあるかな?

<じゅんぺい>


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<遊び場 その2>

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