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道草其の三十七
みらい -14-

「これから どうしたいの?」



黒く大きな<ママ>が言った

リトマ マルコ コルネ ネルタの4人は
<ママ>が現れるとすぐさま服のポケットに入り込んだ

「……」

少年が黙ったままでいると
<ママ>は続けて言った

「あなたに帰る場所がないことは知っている
 あなたはまだ小さい
 こんな世界に放り出されて
 どうしていいのかわからないでしょうけど
 生きて行くためには
 どうにかしなくちゃならないのよ」

「……」

「私たちの種族があなたにしてあげられる事は
 あまりないの
 せめてあなたがどこかに行きたいというなら
 道案内ぐらいはしてあげられるんだけどね」

「工場は? 工場に行こうよ!」

ネルタが大きな声で言った

「しっ! 黙ってな ネルタ!」

リトマが制止した

「コウジョウ?」

少年が小さく呟いた

「君たちが生まれた場所だよ!」

「黙ってろって ネルタ!」

「いいのよリトマ 怒らないで
 ありがとうネルタ
 そうね あなたがどうするにせよ
 自分がどこから来たのか知っておくのは
 悪い事じゃないわ
 あそこに行けば
 これからどうしたらいいのか
わかるかも知れないしね」

<ママ>は
小さなマルコを手の平に乗せて
言った



「マルコ わたしの可愛いマルコ
 光を食べて飛ぶことのできる
 一番大きな<バット>を呼んで来てちょうだい
ママが呼んでるよって言うのよ
 大急ぎでね」

マルコはうなずくと
地面に飛び降り
小さな穴に消えた

<つづく>

<じゅんぺい>

谷口純平想像力工房
http://sowzow.com/

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