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道草其の十三
『竜巻き小僧 + さよなら ハス子』


「さよなら ハス子」

フェレットのハス子が6年の命を終えた
昨日の早朝、奥さんが泣きじゃくりながら
階段をころげるように降りてきた
それだけでもう、何がおこったかわかった
2時間ほどウトウトしている間に
ハス子は天国に行ったのだ

一昨日の、やはり早朝
2階が何やら気ぜわしい気配なのであがってゆくと
血相を変えた奥さんが着替えながら
ハス子の急変を告げた
ぐったりしているハス子は口と目を閉じて
虫の息の状態

「ハス子」と僕が呼ぶと
しぼったような声で1度ないた
頭を、元気な時よくしていたように
片手の手のひらで包み込むようにして
撫でてあげると
ほんの少し手に頭を押しつけてきた

2度目に僕が「ハス子」と呼んだときは
奥さんがかかりつけの獣医のもとへ
ハス子を入れたゲージをかかえて
出かけた後だった

何本もの注射で、持ち直したかのようにみえたハス子も
昨日の朝、息絶えた


6年前、我が家の初代フェレット『カブリエラ』が死んだ時
傷心を癒すために出かけたフェレットショップで
同じゲージに入れられた生後3カ月のこどもたちに出会った
僕はハス子と目が合い
奥さんはウメ子と目が合って
即日連れ帰った

それから
いろいろあった
ハス子にも、ウメ子にも、奥さんにも、僕にも
そしてハス子が先にいってしまった

今日、火葬されて骨になったハス子が帰ってきた
「ハス子」と小さな声で呼んだ
コトコトコトと足音をさせ
柱のかげからハス子が顔を見せる気がした

もう一度「ハス子」と
呼んだ

道草其の四十
『みらい -17-』
突然スクリーンが暗くなり

道草其の三十九
『みらい -16-』
向こうは朝で こっちは夜?

道草其の三十八
『みらい -15-』
潜水艇はゆっくりと上昇すると

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