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其の六十八 新聞

小学生三年生のときに学校の先生から
「新聞を読んでいると百科事典を読むのと同じぐらい
いろんなことを知ることができるのである」と聞いて以来、
新聞を読み続けている。

新聞の前に百科事典が好きな子どもだったから
先生の話に動かされた訳であるが、
世間の人はそれほど百科事典も新聞も好きではないらしい。
ある日テレビを見ていたら、
40代の世帯で新聞をとっているのは2割だったか、
自分が予想するよりももっとずっと少ない数であった。

自分が応援している芸能人やスポーツチームは日本中で人気があって
皆が応援している気がするが実際はそうでもないことを知るのは
こういう感じかもしれない。少し寂しい。

「新聞が世の中からなくなっても困らないとまでは言わないが
自分の家に届けられなくても別段不自由ではない」と考える人が多いのだろう。
新聞は好きだがそういう人を説き伏せる気持ちはないのでそっとしておく。
更に今の時代、ニュースはウエブサイトの方が速いし必要且つ読みたい情報は
いくらでもウエブ上にあるぞと言われると反論できない。

そうなるとは私は新聞紙が好きなのかもしれない。
新聞紙は確かに便利だ。
豆の鞘を剥いたり、揚げたての揚げ物を一時、置いたり、
植木鉢を植え替えるときに下に敷いたり、
荷物の隙間にくしゃくしゃにして詰めたり。
昔はどの家の箪笥の引き出しにも敷いてあったものだ。
紙が湿気を吸ってインクの匂いで虫もつきにくいのである。

それから、その昔、風変わりな人物から聞いた話だが
「得体の知れない悪いものを封じるには新聞紙がいい。
新聞紙ほど字が沢山書かれているものはありませんからね。
アレは役に立ちます。新聞紙に包むといいですよ」
新聞紙の使い道は本当に幅広いのだ。

其の七十二
十分にご注意ください

其の七十一
一本木

其の七十
ダイヤと法灯

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