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其の六十五 縁結び
上の娘は学校を卒業すると早々に縁あって結婚して家を出た。
今時は結婚も自身の自由であるし
親もとやかく言わない風であるけれど下の娘が気になる。
本人もよい出会いがあれば嬉しいと云うから
出雲大社にお願いに行こうかと言っていたら
仕事がらみの用事で行く機会がやってきた。
有り難いので出かけて願を掛けてきた。
出雲大社は縁むすびの霊験灼かであると私は信じている。
何故なら全くもって信心しない夫だが
学生時代に友達と島根を旅行した折り
何故か出雲大社に詣でたそうである。
後にも先にも神社で祈ったことの無い人であるから
重みがあったと言えば言える。
その願叶って私という伴侶を得た。
私は詣でていないから
これは詣でたモノ勝ちなのであろうと思う。
この話をすると皆一様によくわからない
という顔をするが当の本人達だけ分かればいいので問題無い。
結婚とは本来そんなものではなかろうかと思う。
本人達の間にだけ存在するので
取り出して見せることは出来ないのである。
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