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その11 桜満開

 うす曇りの空に、溶けるような桜がきれいです。見上げたとき目に優しい感じが好きで、ぼんやりしながら、毎日花の下を散歩しています。

 長い冬のトンネルを、ひたすらこつこつと歩いていました。この冬、数年分のものごとの総決算が次々にやって来ました。年明けから、降り注ぐように、欲しかったものが実現していきました。どれ一つをとっても、「いつか遠い未来にやってくるように」と願っておいたものです。それで今、まるで未来に到着したような気分です。この数ヶ月で手にしたのは、フォーカシングのトレーナー認定、精神保健福祉士の国家資格、英会話教室の卒業、娘との再会、そして孫ちゃんとの再会の日々。

 2年前、赤ん坊を背負って満開の夜桜の下に立ちました。子守唄を歌いながら、自分のこころを慰める日々を過ごしていました。それからまもなく会えなくなりました。そして今年、その桜の木の下に、孫ちゃんと一緒に立ちました。すべり台を、声を上げて笑いながら幾度も滑り降りていきました。安堵して胸から涙が湧きあがり、感謝になって溢れていきます。桜が散ってあたりがピンクに染まると、天使の祝福を受けているようです。
 私の提供している「アサーティブネストレーニング」には、「12の権利」があります。その三つ目には、「私には、自分の感情を言葉で表す権利がある」というものがあります。
 どうでもよいような人たちとは、こころを打ち明けて話す気にもなりませんが、わかり合いたい、助け合いたい、愛し合いたいと思うほど、距離の近さがこころの近さになって、複雑な感情や葛藤を起こします。そんな時、自分の感情に気づかない振りをすると、長い間のこころの苦しみを生みやすくしてしまいます。そのかわりに勇気を出して、「いや」、「困る」、「悲しい」、「腹が立った」と言うと、その場では波乱が起きますが、長い目で見ると良いことも起こってきます。

 「感情を言葉で表す権利」とは、感情を認める権利であって、感情を使って相手をやり込めることではありません。感じたことに責任を持ち、等身大の自分を表明することです。弱さやずるさなど、しまっておきたいきもちも正直に認める行為です。それは胸にとげが刺さったような居心地の悪い行為ですが、その葛藤ほど重要なものはないと思います。大切な人との間に葛藤が起こるから、違いをどうすればよいか、どちらも活かすための知恵と力を、自分の中に生み出そうとするのだと思います。

 一方葛藤を抱えながらも自滅しないためには、慰めややさしさが必要です。「楽しい」、「嬉しい」、「助かった」など、ポジティブな感情を言葉で表現することも大切になります。それまでこころに留めていなかった、日常の小さな慰めややさしさを発見して言葉にすると、傷つきやすさを越えていくための、ちから強さになっていきます。

 波乱に富んだ強い感情を素直に認めて感じてみると、そのかなたに「未来への意志」を見つけます。本当は理解したい、愛したい、今のままではイヤ、もっと良くなりたい、という未来への希望と希求が、感情を突き動かしているかのようです。

 私はこの間、せっせと勉強していました。感情にこめられた強い衝動や愛情をエネルギーにして、発散させながら取り組んできたように思います。私が愛しているものはたくさんあります。欲しいもの、とり戻したいものを未来におき、今できることをしていると、自分の未来に会える楽しさが、ふつふつと生まれてくるようです。

「12の権利」*********************************************************
<1>私には、日常的な役割から自立した一人の人間として、自分で物事の優先順位を決める権利がある
<2>私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意を持って扱われる権利がある
<3>私には、自分の感情を言葉で表す権利がある
<4>私には、自分の意見と価値観を延べる権利がある
<5>私には、「イエス」、「ノー」を自分自身で決めていう権利がある
<6>私には、間違う権利がある
<7>私には、考えを変える権利がある
<8>私には、「わかりません」という権利がある
<9>私には、欲しいものを欲しいと言い、したいことをしたいという権利がある
<10>私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてよい権利がある
<11>私には、周囲の人から認められることを当てにしないで、人と接する権利がある
<12>私には、アサーティブでない自分を選択する権利がある

「こころのちからメッセージ」**********************************************
<1>私は、私が何をするか、どれから始めるかを自分で選んで決めていい
<2>私は、自分の良いところや能力を、ちゃんと認めてもらっていい
<3>私は、自分に素直になって、人に感情を伝えていい
<4>私は、自分の意見や価値観を、正直に相手に伝えていい
<5>私は、他の人の気持ちにではなく、自分のきもちにそって、「はい」、「いいえ」を言っていい
<6>私は、まちがえてもいい
<7>私は、きもちや考えが変わったら、無理にがまんせずに、決めたことを変えていい
<8>私は、わからないことがあったら、教えてもらっていい
<9>私は、自分の一番の希望を、いつでも相手に伝えていい
<10>私は、人の悩みを、自分のことのように背負わなくていい
<11>私は、周りの評価を気にせずに、自分の考えややり方を伝えていい
<12>私は、私のままでいい

その19
虹の向こう 山の彼方 飛ぶ鳥

その18
降る花

その17
春が来た 春が来た

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