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その4 新生炬燵

年の暮れのこと、突然炬燵が付かなくなりました。
接触不良か、しばらく待てば付くか……と無為な期待の後、
いよいよこれはダメだということになって、
ヒーター部分を取り外すことになりました。
10年ぶりに2度目のことです。

逆立ちするように身体を炬燵に潜り込ませ、ドライバーで外します。
出てきた「心臓部」は埃まみれで、ずいぶんくたびれた様子でした。
「この間買い換えた家電屋は、確かつぶれたなぁ……」。
どこで手に入れたものか思案しながら、
パートナー氏は早速バイクに跨り、出ていきました。
残されて、急に寒々としてきました。

炬燵に慣れた身体には、
ストーブの熱はなんだかとても「遠回し」な暖かさです。
冷暖房器具を見上げたものの、
よそよそしく付ける気がしません。
バイクの音が、ヒーターを載せて帰ってくるのを心待ちにしながら、
落ち着かずに過ごしました。
また赤々と直接足元を暖めてくれる炬燵が戻ってきて、
「なんとありがたや」とすっぽり嵌って動けません。
今年の強い寒さには「炬燵にみかん」が一番の幸せでしょう。

そういえば以前「炬燵勉強会」をしていた頃、
それぞれのオリジナリティーを発揮して
ファンタジーを作ろうと言うことになり、
クリスマスパーティーを兼ねて、炬燵仲間で創作発表会を催しました。

その時私が作ったのは、「みよこのみかん」という幻想物語でした。
みかんの大好きなみよこが、年の暮れの夕方、八百屋の店先で
並んだみかんに呼び止められ、「仲間になろう」と誘われ、
連れて帰って支度を整え、みかんに変身するというものでした。

やかんで湯を沸かし、炬燵の天板に座り、
湯の沸く音に合わせて呪文を唱えます。
それが「みよこのみかん、みよこのみかん、見よ、このみかん!」と言うのです。
みかんになって充足して炬燵の上で仲間とウトウトしていると、
やって来たボーイフレンドが、手持ちぶさたにパクリと食べてしまう、
というお話し。

「炬燵にみかん」は冬の幻想。
いつか呪文を使って究極の幸せに嵌ろう。

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いちねん半

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