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その3 掘炬燵が本格始動です

これまで間の抜けた風情だった掘炬燵も、いよいよ本領発揮の季節です。
炬燵布団を掛けると図体も膨らみ、堂々家の中心です。一度入ると長居をして、食事はもとよりパソコン、新聞、お手紙、暇つぶし、なんでも炬燵に持ち込みです。気のせいか足元が暖かいとのどが渇くようで、お茶も欠かせません。本格茶柱的生活です。

ところで、私の今の仕事はこの掘炬燵から出発しました。

今から18年前の'87年のこと、10人の女たちがこの炬燵に集結し、"A WOMEN IN YOUR OWN RIGHT"という本の翻訳&勉強会を始めたのです。5月から翌年の3月までかけて、アサーティブネストレーニングというコミュニケーションの技法を、手探りで実践し始めました。
 '91年には炬燵仲間でeqPressという翻訳グループを作り「自分を好きになる本」(径書房)を出版しました。これが大好評で、アサーティブネスに関心が寄せられるようになりました。
 '94年に炬燵仲間3人でアサーティブネスを伝えるグループ「エンパワーYOUネットワーク」を作りました。
 '98年にはまたまた炬燵仲間が「第四の生き方『自分』を生かすアサーティブネス」(つげ書房新書)を出版し、そして'01年には私が、ぬまぬま&ふじふじ、そしてじゅんぺいさん(※)の力添えで「こころのちから」を世に出しました。
 '03年には続編「おんなごころおとこごころ」も出来ました。
 どの本も、この炬燵に足を突っ込んでおしゃべりした女たちが生み出したものです。足元のぬくもりがパワーの源になって、私達の活力を支えてきたのかもしれません。

今アサーティブネストレーニングは流行りになって、自治体や教育・医療・福祉機関で盛んに行われ、私も呼ばれてあちこちで実践クラスを開催します。「先生」と呼ばれて迎えられることもありますが、そんな時、いつも足元がうずうずします。
 「あのさぁ、そういうんじゃないんだって。これって、炬燵で一緒に云々いいながらやるようなもんなんだってば……」と言いたいのです。
 「臨床心理」とか「こころのケア」とかいうと、いかにも専門家がいてその人たちが治療に当たるように聞こえますが、実はだれでも出来る、だれでも普通にしていることだと思います。自分のこころのスペシャリストは自分だよ、というぐらいの気概をもって自分を守っていきたいものです。
 炬燵でぬくぬくしているうちに「ま、いいか、寝よう」と思えたら茶柱的幸せ。いつもここに戻って来たい、炬燵は仕事の原点です。

※ぬまぬま=沼尻昌子さん、ふじふじ=ふじわらかずえさん、じゅんぺい=谷口純平編集人

その19
虹の向こう 山の彼方 飛ぶ鳥

その18
降る花

その17
春が来た 春が来た

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