日々の歌<1> ―八首―
娘(こ)の髪に白髪みつけし秋の朝
母が悲しむをその子は知らず
トンボウの番いの棒がすいすいと
目の前の風に乗って流るる
素首落しという決り手あり
一太刀で首が落ちるような恐ろしき名よ
うっとりと目を閉じ田圃に浮かぶのは
殿様蛙 うさんくさげな
テンガロンハットをかぶる粋な人
近江の田んぼで稲刈りいたる
からすうりは今年も色づき川ばたの
緑の中に灯をともしたり
野良でしゃべる農夫の声は
相当の距離あるわが家の庭までひびく
むべなるかなのムベという実がほんとうにありました
この滋賀の地に |