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雪、熊、燕

雪国に来たと知りしは
大雪に降りこめられし 三月のこと

 以前住んでいた大和のそれは、ひと冬せいぜい降って積んでも一〜二日翌日にはとけてしまう。この辺では降った翌日は早朝から轟音を立て除雪車が車道の雪をのける。一日二〜三回のこともある。家の玄関から歩道へ出るには長靴がなければ駄目、雨靴では駄目、すっぽり膝まである長靴と雪掻き用の大小のスコップを買い揃えた。雪への恐怖心で震えていた私の足の裏には子どもの頃出来たシモヤケが一面に。天気予報に雪ダルマのマークが出るとそのかわいい姿とはうらはらな雪への恐怖から、私の全身の血行を悪くしたようだ。

戸の外に熊が座りておりし話聞けば
玄関はこわごわあける

 「クマが出たら注意を」というチラシが配られた時は私は実際とんでもない所へ越して来たものよと後悔したものだ。

軒高く造られし巣に
つばくろの姿見えねど かわゆき声す

 家の軒の高みに燕が泥の巣を作り、やがて親が忙しく餌を運んでくる。そのたびヒナが嬉しそうにさわぐ―こんな春が来るなんて、あの雪の日には想像もできなかったことだ。

日々の歌<9>
―七首―

日々の歌<8>
―五首―

日々の歌<7>
―七首―

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