日々の歌<9> ―七首―
古巣の破れつくろうつばめのカップルは 卵産まんと日々をいそしむ
不正輸入といわれても わたしゃ知りませんと 蛙は丸い目をキョロキョロさせる
己がいびきで目がさめるという あられもない女七十の昼寝なりけり
ブラックバス 湖(うみ)より釣られ草の上に 口ひん曲げて寝たる 口惜しげに
寒の戻りに暖房をつけている部屋の外を 石やきいもの車が通る
透明な小魚たちにも目はありて 目ん玉だけのように泳げる
イチゴジャムの中のイチゴの種を 舌の上にまろばせていつ 小さきものを
日々の歌<8> ―五首―
日々の歌<7> ―七首―