蓮幻想 ―唐招提寺にて―
童顔の胎内仏や眠りたまふ 御厨子のごときはちすのつぼみ
その内に幼きほとけねむらせて まろくつつむやはちすのつぼみ
うすべにの長きころもの女人(ひと)なりき ひとみ伏せしがたたずみたまふ
うらわかき貴公子なども立ちよりて この花びらに触れしもあらむ
唐(から)の国は遥かに遠く 盲たる和上も蓮花(はす)に涙されしや
婉然と 嫋々(じょうじょう)と されど凛々と はちす花咲く おほてらの庭
日々の歌<9> ―七首―
日々の歌<8> ―五首―
日々の歌<7> ―七首―