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〜その16〜 各星座の司るもの<11>魚座

さて。とうとう12番目まで来ました。
水瓶座を終えて、ほ〜〜〜っと私がくつろいでいるところだというのに、
すでに円卓に着いた11星座が、
足を踏み鳴らして、
彼らの愛しい末の妹を
呼ぶのが聞こえます。
ああ、とっとと書かねば。
11人の兄たち(男女はどっちでもいいのだが)が愛して止まない、
12星座の最終兵器。
「魚座」を、
最後にご紹介いたします。


ホロスコープの最後、第12室を司り、
目に見えぬもの、形をとらないものを象徴する星・海王星に守護される魚座。
本当に
「11人お兄ちゃんがいる家の末っ子娘」
とイメージしてもらうと、
なんともわかりやすい…ということに気が付きました。

前回、水瓶座のところで
「10までの完成された世界の中に生まれてくる、異物」的存在、
常に異質である自分に存在価値を見出す…みたいなことを
書いたと思いますが。
魚座についても、その状況は変わっていません。

「個性的なお兄ちゃんが11人もいる!」(状況は水瓶座時よりさらに悪化)
家に生まれた場合、
その妹はどんな風に育つでしょうか?
『甘えん坊になる』
大体みんなそういいますね。
ええ、そうです。魚座は筋金入りの甘えん坊です。
それはなぜか?

みんなが甘やかしてくれるから?
まあ、そういうこともあるでしょうが、本当の理由は
「残っているポジションが、もうそれくらいしかないから」
です。

家族といえど、人間が集まるところにはエネルギーの戦いがあります。
そうです、生存競争です。後から生まれれば生まれるほど、不利です。
何とかして、他の人がまだ獲得していない種類の「存在価値」を見つけ、
それによって競争を勝ち残らねば、
「居場所を獲得せねば」なりません。

賢さ、勇気、決断力、協調性、美意識、観察力、向上心…。
もうあらゆるスペシャリストがいる中に、後から生まれてくる。
しかも、全員が自分より年月を重ねて「先輩」だ。
残された道、ポジションは、何か??

「未熟さゆえに幼さゆえに愛される
=完璧でないことが逆にかわいい、マスコットキャラ」しかない!
まったく筋の通った話です。

実際魚座のみなさんはチャームを兼ね備えている人が多く、
いくつになっても、ほわほわとしたかわいいらしい部分が前に出ています。
これはこれまでに体得した「処世術」の表れでもあるし、
神様からもらってきた才能でもあります。
魚座のこの「アイドル思考」(今作った)はなかなか偉大なもので、
実際、芸能界で大成する人にも魚座が多いですから
(しかも、高い技術ゆえ、よりは、独自のキャラで成功している傾向高し)。
これは男女の区別がありません。どっちもです。

まあ、12人もいればそういう人がいてもいいんじゃないの?
といってしまえば話は終わりですが、
アイドル魚座にも、ご他聞に漏れず、いろいろ弱点はあります。

最も特徴的なのは
「依存心が極端に強い」
ところです。
「普通は自分が何とかしなくても、周りが何とかしてくれるものだ。
そうじゃなくても、誰かが何とかしてくれるのを待つ」
チックに物事を考える人が多々いて、時々度肝を抜かれます…。
逆に言えば「自分なんかが口出し、
手出しすることが許されていない」的な発想ともつながっているようで、
これはまたべつの強い特徴、
「自分を過小評価している」人が多い、こととも関係があります。

何度となくいっていることですが、
私は、12の星座をきわめて「平等な存在」だと思っています。
能力や性格の傾向こそあれど、何座のほうが上とか下とかはなく、
それぞれが別々に、それぞれの役割を果たすこと、こそが、
全員の幸せにつながっていると本気で考えているのですが…。

あんまり魚座はそう考えていないようです。
「自分はいろいろできないの。しょうがないの。
だから、周りも●●してくれるのが当たり前でしょ。
できなくても許してくれるのが当たり前でしょ」
みたいな発言…。
驚きのあまり、私なんて
「どの口がいったあ!」と飛びかかるか、
「!!!!」と驚愕の表情で2メートル飛び退るか、
どっちかですね…。どっちかは実際にやったことがあります…。

でも、そもそも、すでに11人もいる中に生まれてきて、
いきなり「居場所がない」状態で始まるあたり、
「どんな自分でも王様だ」の状況で生まれてこれる第一子・牡羊座と比べると
天と地ほどの差があります。圧倒的に不利です、不利。
だとすると、「自分は重要な存在ではない」と
受け取ってしまう部分があってもいささかやむをえないのか…。
いやいやいや。
希望を捨ててはいけません!(自分叱咤)

もともと、魚座の守護星・海王星は「感覚、イメージ」などの
エリアに力を発揮する星で、
象徴されるものは音楽、香り、癒し、サービス、アルコール、薬物…など、と
ようするに、「敏感な感性の星」なのですよ(あと「流れるもの」ね)。
その才能を多分に受け取っている魚座は、
「第六感にすぐれ、物事を感じ取る力に長けている」し、
「人を和ませ癒す力もある」し、
「いくつになっても汚されない、清らかな面も持ち合わせている」
はずの星座ですが、
実際のこの社会の中においては
「その感じ取る性質が、自己防衛のためか過剰になり」
(=使わなくていい気を使いすぎるということですね)
 ↓
「人の感情や考えに振り回されすぎ、疲れて、自分というものの
核を失い、もしくは自分自身という存在が希薄になり」
(=「本当は自分はどうしたいのか」魚座の苦手な質問ですね)
 ↓
「なんとなく、人に“安く使われるはめに陥り”
いつも疲弊している…」(=「時給計算したら悲しくなる働きぶり」
もしくは「尽力した割には扱いが低い人間関係」みたいな話ですね)
ってことが、非常に多いです。

確かに、魚座は…大体みんな疲れてますね?
もともと強靭な体の持ち主は少ないように思いますが、
それにしても「過剰な荷」をいつも背負っている人が、特に多いように思います。
この星座…。自己主張が不可欠なこの世界。魚座は「受信」は得意だけど、
「発信」はあんまり得意じゃないからでしょうか。とほほ。
そして、そのせいか荷に押しつぶされて、「現実社会と反対の方向」に
救いを求めて逃げていってしまう傾向もあり。
過剰な飲酒、クスリ、過剰なセックス、
自分だけの妄想の世界、現実感のない精神世界への埋没…などが
それに当たります。
もともと「垣根を設けない」性質ゆえに、感応力も高く
「すぐ耽溺してしまう」んだな。オイオイオイ…(苦泣)。

でもさ
そもそもあなたにいいたい。
「どうしてそこまで、世界にサービスするの?」

世界の魚座の健康のためにも
ここはがつんと言わせてもらいますが。

あなたが命を削って世界に尽くしたって、
そのせいで世界があなたを認めてくれるわけじゃありません。
あなたが、あなたを認めなければ、愛さなければ
世界も、あなたを愛さないのです。
人を最も輝かせる光は、常に「自己信頼」を熱源としています。
「世界がなんと言おうと、
私は私のままでいい。
私は、ありのままの私を愛している」
その揺らぎのない気持ちこそが、
あなたが求めてやまない「居場所」を、この世界に与えてくれるのです。

そして「自己信頼」の光で照らされた人には、みんなが道をあけますから、
今すぐ席が見つからなくても、心配することはないのです。
それに多分、
あなたに見えていないだけで
「あなたの席」は
ずっと前から、あいていますから。あけてくれていますから。

あなたはどうして、この世界に生まれてきたのでしょうか。
もちろん
「愛し、愛されるため」です。
もし世界が、あなたなしでももう十分に「完璧」だったのなら
あなたは生まれてきたでしょうか。
もちろん、否です。
あなたが登場して、初めて世界は完結する。
あなたは「自分という存在を犠牲にすることで、世界に尽くすことでしか」
自分に存在価値はないと思っているのかもしれませんが、
そんなことはありません。

あなたが新しく生を受けて出てくるのを、
先に生まれた11星座は、じっと、期待をこめて見守っていました。
生まれつき、限りのない、制限のない性質を持つあなたが、
「どこまで成長するのか。そして、世界に何をもたらしてくれるのか」
本当に彼らは知りたがっているからです。

10星座でひとつの世界は完結し、
でも何か足りず、
11番目の水瓶座に一度世界を爆破させ、風穴を開けさせ、
改めて散り散りになった世界を、
何者にもとらわれないもので、理屈じゃないもので、
「もう一度、ひとつにしてほしくなった」。

その願いの元、
魚座は生まれてきました。
あなたはその任を負うにふさわしい人間でなければなりません。
「かわいいだけじゃだめかしら?」
もちろん、だめです。
魂は高潔で温かく、常に理想を忘れてはいけません。
人に偏見の気持ちを持つなんて、ありえないし、
「私なんてどうせ…」なんて卑屈な気持ちを持つなんてもってのほか。
広い心と許しの精神を磨き、学ぶ姿勢を忘れず…。

おっと、またあなたに荷を背負わせすぎてしまいました。
いやいや、そんなに立派でなくてもいいのです。
「“自分に厳しく、かつ大事なものとして扱うことを覚える”」
このことさえ、あなたがわかってくれたら、何もいうことはありません。

まあ、欲を言えば
「お兄ちゃんたち、心配しないで。
この家は(財産は)すべて私が継ぐから!だからみんなは好きに出て行って!
=俺が仕切るぜ。手出しすんな」
と総領娘っぽい頼もしい号令を発して、
全兄ちゃんたちの身代を揺るがすような茶目っ気、
かしこい洒落っ気も欲しいところ。
かわいくても頭悪かったら、長続きしませんから。

かわいらしい外見の裏に、鋭い理性と知性を隠している。それでいて
「大してかしこくないフリで世間を油断させる→
みんなが思わずお金出しちゃう」
これこそ
「正しいアイドル道」です!
中途半端なかわいさは、何も生み出しませんが、
極めたかわいらしさは「武器になる」、
ひいては「ゼニになる」のですよ。

「ファンのみんなの応援のおかげです〜」ってしくしく泣きながら、
賞を総なめ、紅白では大トリを務め、
番組最後、出演者みんなで大合唱の際にも、センター位置でかわいく大泣き。
みんなをうっとりさせつつも、
「翌年の長者番付ランクイン」! 
これでいこう、これで。
ぜひ、物語の最後を、美しく雄大に「世界はひとつだ!」と
夢を与えて〆て下さい。

「明日には明日の風が吹く」
すべてが終わると、また牡羊座から、新しいサイクルが始まります。
美しい夢を見た後は、また原始的で力強い朝日が昇るのと同じ。
健康で伸びやかな始まりです。
そのときを豊かな気持ちで迎えるためにも、今夜はぐっすり眠ってください。

星座たちの12のあいさつ、お楽しみいただけたなら幸いです。

沼尻昌子

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