日々の歌<2> ―八首―
十年後とそう簡単に云わないで 私は居るやらもういないやら
亀虫が一匹部屋に忍びいて 大捕物となりし夜の家
部屋内に冬ごもりせんと入り来て 死なず動かぬ虫をあはれむ
こんにゃく屋の茂兵エ 指物師の音吉 米屋の利兵エ 創業者の名 屋号に残る
若狭からふるさと大和のお水取りへ はるばるとゆく美しき水よ
この辺の田の刈り株より又伸びて 青々そよぐを 彦生えという
ゆう雪の水が吹き出る道筋を 中学生がピョンピョン渡る
真水にも匂いはあるや ねぐらから 湖さしてサギらとびゆく
日々の歌<9> ―七首―
日々の歌<8> ―五首―
日々の歌<7> ―七首―