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 ワタクシがここで書き連ねる「東京俺好」。これは「トウキョウオレスキー」と、発音しますが、東京の中のワタクシの「好き」な所、それは店であったり場所であったりするのですが、そんな好きな場所を「適当」にご紹介する、という文章です。基本が「適当」なので詳しい場所やメニューとか書きません。気になったら皆さんも「適当」に散策して、出向いたりしていただければいいかな、と思っているのです。東京に生まれて50年あまり、曾爺の代から江戸東京と永く住んできたこの街の「俺の」スキなところを勝手適当に書き連ねる「東京俺好」(トウキョウオレスキー)。よろしければ皆さまもテキトーに楽しんでいただければ、と思います。


その8 乃木公園のねこ・狭いながらも楽しいわが家


 昨年の夏の暑い日の午後、ふと通りかかった公園の入り国にソレがあったです。
 旧陸軍の将軍の住居跡を区が譲り受け、公園として整備してる場所で、隣にある神社と共に都心にあって木々の緑は濃く高く。明治の古から近所の方々や近くの会社勤めの方々に大切にされているのが、そこにいるだけでも解る素敵な場所であります乃木公園 and 乃木神社。

  公園の周りは煉瓦造りの壁で囲われ、レトロで少し洋風な雰囲気を醸し出していますが、その入り口付近。ちょっと気を抜くと見落としそうな保護色と言うか、煉瓦壁と同じ「煉瓦模様」の何やら小さなモノがひとつ。
 でっかい蒲鉾のような形のドーム屋根。よく観ると出入り口があり、傘が刺さっていて雨よけのようにセット。きちんと造られた板敷きの土台に水や食べ物用らしきお皿がいくつか・・・。

  どうやらこの公園にいるねこ(のらねこ?)用の家らしいのです。
 先にも書いたようにスバラシイのはその造り。家主のねこがいないのをいいことにそっと近づいて触ってみると、ベニヤか廃材の板を組んで家のカタチにし、その上におそらく「プロの仕業」っぽい煉瓦模様のプリントアウトを貼り付けた立派な普請。背後の旧い煉瓦壁をリアルに再現し、色合いも合わせたと思われるプリントアウト。煉瓦サイズもおおむね一致しており、かなり手の込んだ造りは明らかにプロの仕業。切れ目も合わせて、遠目には殆ど壁と一体化したようなハイクオリティ。ねこの家にここまでやるとは。まして飼いねこじゃない公園ねこの家なのに。
 
 景観を守る、と言う点では全く素晴らしい解決方法なのですが、まあ、「のらねこにエサをあげるな」という根本の部分では、ちょっと間違ってるぞと言う感じがご愛嬌。木と紙でできている以上雨漏りは避けられないのか、無理やり取ってつけたようなビニル傘の親切心が、公園同様、この場所に住んでいるねこやその豪華なプリント煉瓦造りの住み家を大切にしているんだなあ、という感じが伝わってくるのであります。
 
 後日、改めてここを通りかかったら、屋根の上にでっかい白黒のねこが座っていました。ああ、コイツがここの主か、なんて思いつつ通過したら、脇の植え込みにはトラねこが1匹。なんとなく屋根の上のねこの様子を窺っており、既に臨戦態勢。もしかしたら、この立派な住み家の争奪戦が彼らの間で日夜繰り返されているのではないかと思うと、ちょっとワクワクするようなキモチになるものです。

 ともあれ、こういうものに手間をかけて大事にしている。そんなねこの家がある公園は全くオレスキーな場所なのでありました。

 相変わらず適当な説明。? 東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より5分ぐらい。
 都営地下鉄大江戸線「六本木」駅より8分くらい
 東京ミドタウンと新国立美術館に近く、坂道の途中にある神社と旧宅と公園の三点セットは、都心でもいつも静かな、まさに「公園」。旧宅や厩なども見学できるうえ、煉瓦造りの壁を利用した公園の仕切り屋飾りなど見どころがたくさん。でもうっそうとした庭は、夏にはヤブ蚊の団体が・・・・。

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懐中雑誌「ぱなし」のWebサイト。通販でも買えます
http://panassy.p1.bindsite.jp/

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まつばらあつし
matsubara atsushi
1960年 東京都葛飾区生まれ
お絵描き屋さん&文字書きやさん、時々ガッコの先生
映画TV技術協会会員・ナショナルジオグラフィック協会会員
TSUTAYA会員
http://atts60.blogspot.com/



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