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「長崎の離島の小値賀島(おぢかじま)へ行ってきた。」
-その1-


 先月、長崎県の五島列島の北にある小値賀島へ行ってきた。
 小値賀島は昔はクジラ漁で栄え、そのあとは造酒業で栄えた島。そのため平戸藩が手放したがらなかったという。五島列島は、五島藩なので歴史が違う。だから、五島列島に含まれるといわれると、小値賀の人たちはちょっと違うと思うそうだ。今も、他の市と合併せずに小値賀町として独立している。

 小値賀島へ行くには、長崎の佐世保港から2時間で船で行くか、福岡の博多港から5時間かけて船で行くか2パターンしかない。以前は、飛行機の定期便が出ていたが、廃止されてしまったので船で行くしかないのだ。今も飛行場はあるが、定期便がなくなったので、たまにお金持ちの人が個人持ちのセスナでやってくるくらいらしい。

 私は羽田から長崎空港へ行き、そこからバスで約1時間半で佐世保に着いた。佐世保から高速艇で約2時間。高速艇はすごくゆれた。高速艇でない船だと、3時間かかる。本数が少ないせいか、満席だった。

 小値賀島は、小さい島だけどわりとなんでもある。学校も、幼稚園から高校まであるし、銀行もレンタルビデオ屋さんもある。町役場も図書館も意外なほど立派な建物だ。離島保護法とかいう法律があって、昔は離島の公共施設は国の援助で建てられたそうだ。それが出来る町長が、いい町長とされていたらしい。でも今は法律が改正され、援助が少なくなり昔のようには建てられなくなったらしい。

 町の買い物は、小さいがスーパーもある。佐川急便は離島料金を取られるが、クロネコヤマトの宅急便は離島料金をとられないのでインターネットで長崎県内と変わらない送料で買い物もできるそうだ。




小値賀町のキャラクターちかまる

 小値賀町のキャラクターの「ちかまる」は、鹿の着ぐるみを着た男の子という設定。小値賀島は、古事記には「知訶島(ちかしま)」と載っている。だから鹿とは関係ないし、島に鹿もいない。古事記に載るくらい歴史のある島は、昔は防人(さきもり)がいたらしい。遣唐船が最後にたちよるところで、沈んだ船につかった石がたくさん海に沈んでいる。昔の船に使った石が引き上げられ、歴史民俗資料館100円に展示されていた。




古民家の宿「親家」

 フェリーで島に着くと、島旅コンシェルジュが宿まで案内してくれた。私が泊まったのは、古民家を改築した宿。いくつかある古民家の中で一番大きい「親家」という宿。昔、和歌山から移り住んだ人がクジラ漁をはじめ、そのため村はうるおったそうだ。そのクジラ漁の親方が住んでいたのが「親家」と言われる近藤家。すごく広いし、お庭もあってすてきだ。古民家に泊まる以外には、民泊(みんぱく)といってまるで親戚の家の泊まるように民宿ではない個人のお宅に泊まるというのもある。




赤い砂浜




丸い自然石のポットホールB

 翌朝、島旅コンシェルジュが、小値賀島を案内してくれた。溶岩の「赤い砂浜」。岩が風で自然に回転して、周りの岩を削りながらだんだん丸く磨かれていった「ポットホール」。自然に作られたのにまんまるで不思議な感じ。小値賀島は、海に囲まれてるのになぜか潮くさくないのは海が青くきれいだからなのかもしれない。小値賀島の人はフレンドリーで町を歩いてたら、きさくに挨拶してくれる。犯罪率も低く、鍵をかけなくても平気だそうだ。島民は少なく、名前は知らなくてもみんな顔みしりなので悪い事はできないのだろう。




青い海

 小値賀島は、霊も普通にいるらしい。見える人には結構頻繁に見えるそうだ。足だけの霊を見たとか、座敷童を見たとかいう人もいるらしい。知り合った人のおばあさんは、昔狐つきにあったという。目がつりがあり、夜中に手づかみでお釜のご飯を食べていた。日蓮宗のお坊さんに祓ってもらったら、正気に戻ったが、狐がついてる間の記憶がないという。それ以来、いつもその人は変な物がつかないように粗塩を持ち歩いて言う。死んだ動物を見たら、霊がついてくるからふりかえってはいけないそうだ。<つづく>



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