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026 おみくじの開祖と言われる
元三大師のおみくじをひく
先月、最澄(伝教大師)が開いた
天台宗総本山の比叡山延暦寺(ひえいざんえんりゃくじ)に行ってきた。
延暦寺は、比叡山の山全体が境内でやたらと広い。
そのため、東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の
3つの地域に分かれている。
各地域は車で行かないとかなり遠い。
その中のひとつの横川地区にあるおみくじの開祖と言われる
元三大師(がんさんだいし)の『元三大師堂』に行った。
ここは比叡山中興の祖・元三慈恵(じえ)大師の良源(りょうげん)の住居跡。
元三とは元旦三日つまり正月1月3日のことで、
この日が良源さんの亡くなられた日。
これにちなんで「元三大師・がんざんだいし」と言われる。
『慈恵』の名は、亡くなった後に天皇からいただいた諡号(しごう)で、
『弘法大師』とか『伝教大師』も同じ諡号だ。
『おみくじ』は、中国から入ってきたのを、
日本で元三大師が作り上げたものと言われている。
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ここのおみくじは他とはかなり違ってる。
1回千円という値段設定も違うが、
普通にあるような自分でひくというものではなく、
悩み事を相談してそのことについておうかがいをたてるというもの。
それで受付で「おみくじしたいんですけど」というと、
「どいうことについて?」と聞かれる。
恋愛、仕事、などの項目の書かれた紙に具体的に、
お伺いをたてたいことを書き込む。まるで、占いのようだ。
「本を書いてるんですけど、ミリオンセラーとかにならないので、
名前を変えた方がいいのかどうか考えてて、
そういうのじゃダメですか?」と聞くと
「具体的に変えたい名前とか決めてるの?」
「いえまだ具体的には」
「じゃ、名前を変えた方がいいかどうかだね?
う〜ん、まっできると思うけど、あちらでちょっと待ってて」と言われ、
待つ事約10分。
きちんと袈裟を身につけた若いお坊さんが現れた。
それで改めて相談する。
「田中ひろみのままでいかどうか? なんですけど」
「変えたい名前とかはまだ決まってないのね」と
若いのにちょっと偉そうな感じのするお坊さんだ。
それから、お経をあげてくれて、元三大師に伺いをたててくじをひき、
そのくじを見てお坊さんはまず一言「あかんわ」。
おみくじは、『凶』とでた。
「田中ひろみってどうも普通やし〜」と言われる。
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やはり、田中ひろみは改名したほうがいいいのかな?。
しかし、「肝心なのは名前より中身やで」と当たり前のような説教をされる。
ま、そりゃそうだけど〜。
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「どんな本書いてるの?」
「最近は仏像の本を出しました」
「仏像の本自体そんなに売れるもんとちゃうしな〜」と、
なんかトホホな感じなところもあるけど、
じっくり話をしてくれて、お経も読んでくれて千円は安い! |
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