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024 『仏像、大好き!』祝発売!



 4月23日に、私の16冊目の本『仏像、大好き!』(小学館)が発売される!!
わ〜い。(ぜひ、予約してね)
  http://www.7andy.jp/books/detail?accd=R0252952

 本の内容は、あっちこちの仏像をみてまわって、私が面白いと思った仏像をピックアップして「見た目がおもしろい仏像」をイラストを主体に紹介している。あと、仏像の基本もイラストでわかりやすく説明している。売れてくれるといいんだけど〜。
 
紹介してる仏像はこんな感じ

*アフロ仏像<道成寺>

 和歌山最古の寺で、お能や歌舞伎でも演じられる“安珍、清姫”のお話で有名な道成寺。そこにアフロ仏像こと“五劫思惟阿弥陀如来(ごこうしいあみだにょらい)”が本堂の裏の念仏堂にいらっしゃる。
  『一劫』とは、百年に一度、天人が天下って下界の大岩を衣でなでて、なでつくしてすりきれてなくなってしまうまでをいう。その長〜い時間の『一劫』の5倍の『五劫』とは、いったいどんな長い時間なの? とにかくものすご〜い長い時間、阿弥陀さまはどうやったら人々を救えるか考えていたら、髪の毛が伸び放題でアフロのようになってしまった。というのを、表現した仏像なのだ。
 “五劫”って言葉は落語の『寿限無(じゅげむ)』にも出てくる。「寿限無 寿限無、五劫(ごこう)のすりきれ、……」そんな意味があるとはねぇ〜。五劫思惟阿弥陀は鎌倉時代頃に中国から日本に伝わり、他にもいくつか作られている。こちらでは、めずらしくタダで拝観できるのも魅力。他にもこの『五劫思惟阿弥陀如来』は、東大寺などいくつかのお寺でも逢える。
 
 
*走ってる大黒様<奈良国立博物館>

 奈良国立博物館に「そんなに急いでどこ行くの?」と尋ねたくなるように走ってる“大黒天”がいる。この大黒天に会うために奈良博物館に訪れる人がいるほど人気者だ(かといっていつでも展示してるとは限らない)。ヒノキ材で作られ、像高は56cmと小さい。普通の大黒天こと大黒様は、米俵に乗り大きな袋を抱え、打ち出小槌を持ち下膨れで福耳で、にこやかに微笑んでいる商売繁盛、開運、家内安全の神様。七福神の一人でもある。でも、元々はヒンドゥー教のシヴァの憤怒の化身。
  本来はマハーカーラといい、偉大な暗黒という意味。本来は、青黒い身体に憤怒の表情をした神であった。日本では、大黒の「だいこく」が大国に通じるため、古くから神道の神である大国主と混同されてしまったらしい。
  ここの大黒様は、割とスリムだし、袋も小槌も持ってない。たれ目で遠く前方を見ながら袖をたなびかせひたすら走る姿なので「走り大黒」と言われている。 他でも「走り大黒」と言われて像はあるが、ここのが一番本気で走っている。一生懸命に走って、皆の願い事を迅速にかなえようとしてくれるのかもしれない。
 
 
*みかえり仏像<永観堂>

 別名“もみじの永観堂”といわれるほど、もみじが有名な永観堂。哲学の道近くで、もみじの時期の境内は、ぜんぜん前に進まないほどすごい人で、いつもより拝観料も高い。じつは“永観堂”とはいうのは通称で、本当は“禅林寺”という。“永観”というのは、この寺の平安時代の住職の名前で、貧者の救済をして有名になった僧。その永観堂に、うしろを振り向いてる“みかえり阿弥陀”がいらっしゃる。
  歩きながら念佛を称え続けるという厳しい修業をしている永観の前を阿弥陀さま先導して、後ろを振り返って「永観、遅し」と言ったという。いっしょに修行してくれるなんてやさしい!。その時のお姿を表わしたのがこの“みかえり阿弥陀”。本当に振り返ってるから、すごい!。高さ約80cmしかないのに、その存在感も圧巻。おもわずつれて帰りたくなってしまった。
 
 
  この本に載せるため、先日みうらじゅん氏と仏像について対談した。みうらさんの事務所には「仏像」はもちろん「いやげ物」もたくさん飾れてて見てるだけでも楽しい。みうらさんは、さすがいろんな仏像を見ていて話が尽きなかった。
  みうらさんのコレクションの新薬師寺の中にある“おたま地蔵”という裸のお地蔵さんの陰部のレプリカを見せてもらったのだが、金色の蓮の花のつぼみでかわいらしかった。はじめ1万円で売られていたらしいのだが、そのことをみうらさんが覚えていて新薬師寺に行ったときに、「いぜん、高く売られてましたよね」というと3000円にまけてくれたそうだ。(さっそくそのあと新薬師寺に行って、私は2000円でゲットした。うふふ。)


おたま地蔵の陰部のレプリカ 
  あと、『見仏記』に載っていたみうらさんが小学生のときに作った「仏像スクラップブック」を生で見せてもらって感激した。小学生とは思えない細かい丁寧な字で仏像についてまじめに書き込んだり、写真をきれいに切って貼ってるのには、ほんとに驚いた。当時、仏像のことを熱く語ると友達が出来なかったそうだ。
  確かに、仏像のことを熱く語る小学生はいくらみうらさんが住んでた京都でもそうはいないだろう。みうらさんと話してまた見に行きたい仏像が増えた。
(対談の詳しい内容はぜひ本を読んでね)
4月23日『仏像、大好き!』小学館から発売!

068
『豊橋ハリストス正教会』

067
『大好き!着物』

066
『仏像に変身した私』

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