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023 『二泊三日、四県の旅』

 ナース時代の友達で、今福井に住んでる子が「遊びにおいでよ」と言うので、三連休に遊びに行くことにした。

 福井には、名古屋か米原まで東海道新幹線で行ってそこから特急“しらさぎ”で行くことにしたので、名古屋で降りて名古屋名物(?)のモーニングと、昼食は熱田神宮にある有名な“蓬莱軒”でひつまぶしを食べた。
 ま、そこまでは普通の旅だが、それからはあんまり普通の人が行きたがらないルートをたどることにした。

 まずは名古屋から電車で30分くらいの岐阜にある“岐阜大仏”を見に行く。



 奈良の大仏や鎌倉の大仏を知ってる人は大勢いるだけろうけど“岐阜大仏”を知ってる人は、地元の人と仏像好きのマニアックな人ではないだろうか?でも、意外とどの地方でも大仏ってある。現に東京の板橋にも“東京大仏”がある。
 ここでも、日本三大仏の一つとうたってるが、他の大仏でもそう言ってる所がたくさんある。三大仏といわれるうち、奈良と鎌倉以外のあと一つは、地方によって違うかもしれない。

 岐阜大仏は何がすごいってというと、仏像の土台が竹で籠のようにできてること。そのため“かご大仏”の異名もある。でも、その竹編みの上に粘土を塗って金箔?を貼ってるので、中身が竹籠かどうかなんてわからないだけどね。
 普通、釈迦如来は指を丸めていないが、この大仏はまるで阿弥陀如来のようにオッケーサインをしてる指の形だ。お顔もちょっと変わってる。
 大仏の周りにもたくさんの仏像が並べてあり、拝観料150円のわりに見ごたえがあった。
 時間があったらこの岐阜大仏の近くの岐阜城にも行きたかったが、次に、まだ行かなくてはいけないところがったあったので駅に向った。

 電車に20分くらい乗って、今度は関ヶ原駅に到着。そう、あの天下分目の戦いで有名な関ヶ原だ。
 私は実は前々から、ここにある“関ヶ原ウォーランド”というのに行ってみたくて仕方なかったのだ。以前、名古屋で見た“桃太郎神社”と“五色園”のコンクリート人形の作者・浅野祥雲さんが作ったという人形が、なんと200体も並べられているというのだ。



 あまり訪れる人もいないらしく、バスも出ていない。よってタクシーに乗り込む。千円弱で到着。
 “関ヶ原ウォーランド”の受付で、わくわくしながら入場料700円を払う。700円とは、高い。パンフレットは、カラーで立派だけどね。案の定、他の客はいない。
 あるのは、関ヶ原で戦う武士の人形ばかりである。あと申し訳程度に甲冑資料館があった。流れるのは、関ヶ原の合戦の解説のテープ。人影がないから、そのテープの声が不気味に聞こえる。ふと前を見てカメラを構えている人がいると思ったら、よく見たらそれも戦ってる武士人形だった。どの人形も不気味でいい感じ。

 ウォーランドを満喫した後、次の目的地の福井に向った。

 友達の家に到着して「どこに行きたい?」と聞かれ「仏像が見たい」と答える。

 福井の小浜には人知れずいい仏像がたくさんあると聞いていたので、翌日は小浜に連れてってもらうことにした。
 福井県は、意外と細長い。友達の住んでる福井駅周辺から若狭の小浜までは車で2時間。敦賀(つるが)までは高速道路があるけどそこから先はない。とても遠い。小浜は、有名な“奈良のお水取り”の行事の最初の“お水送り”というのが行われる場所である。
 ここ若狭から送った水が、遠い奈良の東大寺の井戸にたどり着いて若狭水となるというのだ。
 「若狭の水が奈良に届くわけないじゃん」とおもわず突っ込みたくなる行事だ。
 そのお水送りは毎年3月2日に行われるので、今回は仏像巡りに徹する。

 小浜に向う途中に原子力発電所がたくさんある三方の“三方石観世音”に寄る。
ここは、弘法大師・空海が大きな岩に一夜で彫ったという観世音菩薩を祀っている。右手首から先が未完成のままのお姿なので、手足の不自由な人の信仰を集めている。
 境内には木でつくられた手型や足型が収められている。なんでも、こちらで手足型を借り受け持ってかえって自分のいたい所をさすると治るらしい。治ったらその手足が他を返却して400円を収めるというシステムらしい。ケガをしたスポーツ選手にも人気らしく、かつてロッテの監督だった金やん(古い?)とか名前がたくさん書かれていた。
 ちなみに弘法大師が彫ったという本尊の観世音菩薩は、33年に1度しか見れない秘仏だ。

 それから、なんとか小浜にたどり着き、私が一番見たいと思っていた仏像がある多田寺に向う。
 看板もほとんど出てなく、人も歩いていない住宅街で分かりづらい道を地図を頼りに何とかたどり着くと、なんと多田寺は工事中で閉まってた。が〜ん。原発で町が潤ってるのであんまり観光に力入れてないんだろうなという感じで、こういうのも不親切だよな〜と思う。工事中で見られないなら、道路の入り口に“現在工事中”とか書いておいてよ!。

 次に妙楽寺に向う。ここの千手観音菩薩はなんとお顔が、24面もあるのだ。普通は多面でも11面なのに、倍以上の24面もあるんなんて見逃せない!
 妙楽寺までの道は、多田寺からトンネルをくぐったり、ホントにこの道であってるの?と不安になる道のりだった。
 なんとかたどりつくと、受けつけには誰もいない。ベルを鳴らすとどこからから人が現れ、400円払って境内に入る。
 ぼろぼろのお堂には誰も人はいなくて、無防備に千手観音は安置されていた。いいの? 重要文化財をこんな防犯も手薄な感じで置いて〜。

 説明テープはご自由にお聞きくださいと書かれていて、説明テープを聞きながらじっくり仏像を間近で観察する。
いいお顔。もしこれが奈良や京都ならガラス張りとかで飾られちゃうんだろうな〜。

 そして、もう一件、圓照寺に向う。
 こちらも重要文化財の仏像がある。圓照寺の大日如来は、予想より大きくて立派だった。
 モリアオガエルが生息するというお庭もきれいで、鹿やイノシシや猿がやってくるそうだ。食い荒らされて迷惑だとお寺の人は言っていたけど。

 帰りに県立若狭歴史民俗館で、また仏像を堪能して帰った。
 
 次の日は、福井県のとなりの石川県に向う。
 石川県といっても、友達の家のからは昨日行った若狭よりはとても近い。

 まずはお目当ての“ユートピア加賀の里”に向う。
 ここは以前は遊園地とお寺と温泉の仏教テーマパークだったのだけど、今は遊園地は潰れて、残ってるのは温泉と加賀寺だけ。遠くからも金ぴかで輝いて見える子供を抱いた観音様が不気味ですてき!。



 入場料500円を払い、加賀寺に入ると、めくるめく仏像のテーマ館が数々あった。すごい!これで、500円は安い。
 京都の三十三間堂そっくりな仏像だらけの施設まである。巨大な、観音様の中に入ると秩父や四国の札所巡りが気軽にできるように仏像が立ち並んでいた。
 階段を上ると巨大観音の途中まで上って窓から景色が見える。私たち以外に来ていたカップルの女の子が「なんでこんなとこに連れてくるのよ!」と怒って階段を駆け降りてきて男の子が追いかけて行くのを目撃。
 「たしかにデートでここにつれて来られたら普通は怒るよな、私はうれしいけど」と思いつつ、人事なので楽しく見守る。このカップルはその後どうなったのだろう?
 仏の力で仲直りしてることを、お祈りするわ。

 次は“松井秀喜ベースボールミュージアム”に向う。



 松井は、石川県の小松空港の近くの小松出身なのだ。そういえば重機の“コマツ”のコマーシャルに出てたな。
 “コマツ”は小松という地名が由来だったのか〜。
 松井のミュージアムは洋風な立派な作りで驚く。観光バスまで停っている。ミュージアムの前では、子供時代の松井の銅像がお出迎え。  入館すると、現在の松井の姿の像がたっている。



 入館料300円を払い入館すると、たくさんのトロフィーや表彰状やバット、グローブなど松井に関するものがガラスケースに入れられて展示してあった。
 笑ったのは、入り口で松井のお父さんのCDがちゃっかり売られてること。売れてるのかな?CD。
 いつもは、お父さんがいるらしいが私が行った日は松井のお兄さんの結婚式だったそうで、いなかった。見たかったな、松井のお父さん。

 それから、同じ小松にあるまたまた怪しい感じ施設の“ハニベ岩窟院”に向う。
 “ハニベ”とは埴輪など作る職人の埴部師(はにべし)からとった名前で、現代の埴部師である彫塑家の故・都賀田氏が昭和26年に作った施設。入場料800円もとる。



 数百メートルという長い洞窟の中には数々の仏教系の像が展示されていて、不気味でまるでオバケ屋敷のようだ。 けっこう見ごたえがあって、一人でこの洞窟に入ったら怖くて泣いてしまいそうな感じだ。わけのわからない不気味な像を堪能して、小松駅から東京に向った。

あ〜充実した旅だったわ。

068
『豊橋ハリストス正教会』

067
『大好き!着物』

066
『仏像に変身した私』

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