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022 『カリスマ占い師〜!?』

 先日出かけた際、銀座のマリオンの横で 「1件1000円 カリスマ占い師 松田明 」の看板が眼についた。しかもその占い師のアシスタントらしき人がチラシを配って呼び込みをしている。自分でカリスマってうたってるのも、チラシを配って呼び込みしてるのも怪しい。
 1000円で安いし、怪しいものにはおおいに惹かれるので、占ったもらうことにした。

 ちゃんと並ぶようにイスが並べてあり、そのイスには電気あんかが置かれている。ひざ掛けも置いてあって並ばせる気が満々の感じ。私の前に1人並んでいた。
 チラシを配ってた人が、
「星座は? 血液型は? 干支(えと)は?」
と質問してくる。
「牡牛座」
と答えると
「おうしざの“お”ってどういう漢字だっけ?」
と聞いてくる。毎回、人に質問して書いてるのにわかんないの?と疑問に思うが、干支を答えると一回り若い歳を言ってくれたので、機嫌が良くなる私。

「おねえさん、若さの秘訣教えてよ?」
とますますうれしいことを聞いてくれる。それで、待ってる間いろいろ話をしたところ、このチラシ配ってた人はカリスマ(?)占い師松田明の弟子で、自分でもよそで占いをやってるんだそうだ。

 なんでもこの松田明という人はテレビにも何度も出ていて、江原さんとかより前にオーラーのこと言い出したすごい人なんだそうだ。この人のことが、今度マンガにもなるという。ホントかな?

 チラシに、「悩みに応じたMDを5000円で、作成しております。」
と書いてあったので
「このチラシに書いてあるMDって何?」
と質問したら
「ダイエットしたい人、落ち込みやすい人など、その人にあわせた言葉を先生が声を吹き込んだMD作成して、後日送るんだ。それを毎日聞くだけで痩せたり元気になったりするんだよ」
え〜そんなの毎日聞くの気持ち悪そう。

 やっと私の番になる。
 カリスマ占い師松田明の見た目は、オウム真理教の元教祖の麻原彰晃の頭頂を薄毛にしたような感じ。肩まで伸びた髪がなんだかぼさぼさで不潔で気持ち悪い。イスに座るといきなり早口で説明がはじまった。

「まずは料金体制を説明します。1件1000円。2件2000円。それ以上ならいくつでも3000円」
「じゃ1件で、仕事について占ってください。仕事でより成功したんですけど、どうしたらいいですか?」
と質問すると
「手を出して」
と言われ手を差し出すがぱっと見ただけで、また聞き取りにくいくらい早口で
「頑固、考えすぎて悪い方向にばかり考える、でも心根は優しいetc.」と
なんかよく聞き取れないしゃべりで言われた。
 家に帰って松田明で検索したら、松田明に占ってもらった人のブログで、全く同じように「頑固、考えすぎて悪い方向にばかり考える、でも心根は優しいetc.」と言われたと書かれていた。誰にでも同じことを言ってるのかも?
そして
「あなたはハングリーさが足りない」
と言う。
「ハングリーさとは?」
と聞けば
「僕は、集英社から本を出すことに決まっていたが担当編集者とケンカしてダメになり、他の出版社に持ち込みしようと思って48社くらい連絡取ったが実際に会ってくれたのは3社だけで、その会ってくれた人もあんまりいい返事をくれなかったので何日もしつこく“なにがダメなのか教えて欲しい”とハングリー精神で行って本を出してもらえた」
という話をしてきた。
 え〜ハングリーだったら、せっかくのチャンスに編集者とケンカしないんじゃないの? それに別にあなたの話は聞きたくなくて、私のことを占って欲しいんだけどと思い
「で、私は具体的にどうしたらいいんですか?」
って聞いたら
「僕はイラストレーター業界のことは、知らないからわからない」
だって。 え〜! 業界わからないと答えられないの? だったら、すべての業界のこと知らないと占えないの? それって、占い師としておかしくない?
不満そうな顔したら
「僕じゃ、わからないから他に行って占ってもらえば」
と言われてしまった。 そのくせに1000円はしっかり取られたし。 なんだかな〜 松田明、怪しい…。いったい、どこかカリスマ占い師なの!?

068
『豊橋ハリストス正教会』

067
『大好き!着物』

066
『仏像に変身した私』

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