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地上最後の楽園は、今日も微笑んでくれるかな
<2>体ぼろぼろ。ボロブドールツアー、はじまる。


ツアーはめんどうだ。自由がきかない。
団体行動なんかしたくない。
だからいつも個人手配で旅をしている。
しかし、遺跡や美術館へ行くと、
「あ〜、日本語のガイドがいると、質問できてもっと理解できるのになぁ」
と思うことがある。
そんな私に、バリ島は、またまた微笑んでくれた。
バリ島発ボロブドール現地ツアーは、
申し込んだグループ単位でガイドが付き、車を用意してくれる。
一人で申し込めば、自分だけのガイド、自分だけの車となる。
ブラボーっ。そして「ぶらぱーはるがにゃ?(いくら)」
2006年5月の相場で220〜270USドル。
この料金の幅はなんだろう。車のランク?滞在時間?
スケジュール表によれば、どれも、同じ場所を観光、ランチまで同じ場所だ。
それなら、安いに限ると判断した私は現地旅行代理店BICで申し込んだ。


そして当日朝4時30分。外はまだ暗い。
体調最悪。だるい。声が出ない。なんだか、風邪をひいたみたいだ。
それでも、ピックアップの車はやってきた。

風邪をひいてぼーっとしているのか、ルームキーがみつからない。
ピックアップの車に起こされた宿のオヤジがいっしょに探してくれる。
「にーちゃん、こんなとこにささってるぜ」
鍵は、タンスの鍵と一緒に、タンスの鍵穴にささったいた。
そういえば、セキュリティーボックスがない安宿の洋服ダンスは
大胆にも大型金庫代わりだった。
でもこれって力任せに開ければ、すぐに開くんだけどな。まあいいか。


ちょっと待たせたピックアップのガイド「ニョマン」に
「すらまっぱぎ〜」
声にならないハスキーボイスで、待たせた気持ちを表現してみる。
日本人相手にそんなことは慣れっこのガイドは
イカツい中にもちょっとファンシーな笑顔で
「てにをは」を完全に間違いながら空港までの手順を説明してくれる。
「アナタ空港着いた。一緒は別」
「??」
「ワタシセキュリティーはいれない。ガラスの外は待つ」
雰囲気だけはわかるし、まだ眠いので、わかったふりをしておく。

このあと、ジョグジャカルタからのガイドもそうだが、
日本語がかなり下手。その理由は、ツアーの後半でわかった。

搭乗手続きを済ませるまで、
ニョマンはガラスの向こうで相変わらずイカツい顔をしながら見ていた。
一流のガイドを目指すなら、ほほえめ!もっとほほえむんだ!にょまん!

搭乗手続き中、背後を大きな声の大阪弁熟年夫婦が通っていく。
おばはん「どこなん」
おっさん「わからん」
おばはん「自分でするなんてきいてへんで」
おっさん「……」
おばはん「わかれへんやん、どっちや。もうあんたがぼーとしてるさかいに」
おばはん「この外人のうしろに並んどこ」

ちょっと待て。私はバリ島では外人だが、
大阪のおばはんに外人呼ばわれされる理由はない。

もうすこし丁寧なあいさつでもしてくれれば、
チエックインを助けてやるのに
早朝からうるさいし、礼儀はなっていないし。
こんな奴らは放置プレイに限る。

さっさと前方窓側の席を確保して、搭乗ゲートへ進んでいった。
「テレマカシ〜」と外人のふりをしながら。
(つづく)

<6>
1日4000円以下!
激安車チャーター車の実情。

<5>
バリ島のキャッチセールスに
キャッチされてみました。

<4>
日本人を知り尽くした、
日本語ツアーの醍醐味。

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