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12 春を告げる手紙



その1 あなたからの手紙

「手紙を書くのは苦手なんだ
何を書けばいいのか分からない」

誕生日プレゼントに何がほしいのかとあなたに聞かれ
私は迷うことなく
「お手紙」と答えたの

困ったようなあなたの顔
そしてちょっぴり長いため息・・

「言ってみただけ。何でもいいよ」

心にもないことを言った後、
正直ちょっぴり淋しかった。

それからどのくらいだったのかな。
自分がそんなことを言ったのも忘れたころかな。

あなたからの手紙
封筒を開けるとまた小さな封筒。
「手紙を書くのは苦手なんだ。
だって、何を書けばいいのか分からない。
今年の春を贈るよ」
たった三行のあなたの字。
そして、中から出てきた封筒いっぱいの桜の花びら。

手のひらにのせると
愛に包まれた春がそっと香る

手紙が苦手なんてうそをついていたのね。
ありがとう。





その2 春をお贈りします

ふと見上げた空に
桜の花びらが一枚、二枚と舞い降りてくるの。
雪のような冷たさもなく、雨のような音もなく、
ひらひら ひらひらと 舞い降りてくるの。

花びらのむこうに
透き通るブルー
ちらちらと姿を見せてはまた隠れる。

「いま、この景色をあなたに見せたい」
電話をしても走ってこられないところにあなたがいることは
もう十分知っているのに
その時、そう思ったの。

手のひらに舞い降りてきた桜の花びらを
あなたに贈るわ。
紙に言葉なんていらないよね。
封筒の中にはもう春の香りでいっぱいだから。

13
もし、私が・・

12
春を告げる手紙

11
泣いていいのよ

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