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335日ぶりの手紙


星も見えない夜
真っ白い雪が降り続いています
この季節になるといくら目を閉じてもあなたの顔が浮かびます。
コートの襟を高くして、
帽子を耳まで深くかぶってもあなたの声が聞こえます。

思い出の景色なんて見たくないから
つま先数えて街を通ります
ゆっくり歩けばどこからか思い出が
私の足首をつかむような気がして・・・
走るように走るように・・・

胸に刺さった氷の破片で
涙まで凍ってしまった心臓は
声をなくして肩を震えます。

ココアにはミルクをたっぷり
コーヒーの香りはなかったあの冬の小さな私
かすれて行くはずのあの冬が
毎年335日を回って同じところで私を待っています。

私は雪の国で道に迷い、
気が付くとまたこの場所で
あのころの冬に再会します。

トントントン
泣かない泣かないちびっ子ちゃん
トントントン
泣かない泣かないちびっ子ちゃん
ほらほら広がるあなたの笑顔
世界は真っ白 いち に さん

あなたが教えた魔法の言葉
頬を通る12月の風

あなたは元気ですか
12月なんか来ない季節に住んでいますか
再会してはもうさよなら

あなたはそこで
私はここで
335日後にはまた会いましょう

335日ぶりのお手紙
何もかけない真っ白い紙を
振り続ける雪の夜空に飛ばします

パラパラ
パラパラ
お久しぶり
そしてさようなら


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335日ぶりの手紙

21
午前1時43分

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