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007「ライブドア事件でトホホ?」

近ごろ、やたらと株の本が目に付くようになった。テレビでも雑誌でも、株で儲けた人の話がたくさん取り上げられている。
 私も、30万円を3億にした人の書いた本を買って読んだら、すっかり簡単に株で儲けられそうな気持ちになってしまった。
 今まで友達に「株、おもしろいよ〜」と、言われてもまったく耳を貸さなかったくせに、現金なものである。


さっそく、証券会社に口座を開く。
 はじめ、この証券会社に口座を開くと言う意味もよく解んなかった。まぁ簡単に言うと銀行と同じように証券会社に、自分のお金を預けるということだ。その預けたお金で株を売り買いするのだ。
 しかし証券会社に口座を開いたけれど、何の株を買ったらいいのかさっぱり見当もつかない。そもそも、自分の予算内で買える株も限られてる。よく1株いくらとか目にするが、1株で買える株は少ない。だいたい100株単位で売買されているので、少なくても10万円はないと買える株はほとんどない。

どの株を買ったらいいのかさっぱり解らない私は『SPA!』や『週刊ポスト』でおすすめの株を買ってみることにした。
 いざネットで買う株の注文を出すにあたり、この値段で買いたいという「指値(さ しね)」と、いくらでもいいから買いたいという「成行(なりゆき)」の2通りあるということもはじめて知った。「あ〜なんか株やってる!」という気にさせられる株用語である。

最初は、びくびくで株を買ってみたが、これがやりはじめると実に楽しい。まるでゲームをやってる感覚で、株市場が行われてる平日午前9時から午後3時までの間、株の値段が気になってパソコンの前から離れられなくなった。自分の買った株が上がれば喜び、下がれば落ち込む。まさにギャンブラーの気分だ。

私が株をはじめたのは、ちょうど「みずほ証券」が「ジェイコム株」の誤発注をして大損をした約1週間前からだ。みずほの誤発注で何億も儲けした人の話をニュースで見るにつけ、ますます私の一儲けしたい心に火がついた。しかし、ことごとく予想が外れて儲からない。買う株、買う株、買値より下がっていく。

そもそも、私が参考にしていた『SPA!』や『週刊ポスト』は、他の人も同じように読んで参考にして株を買っているということを、他の人に指摘されてやっと気がついた。
 そうなのだ、人と同じようにしてても儲けられるはずはない。聞くところによると、その雑誌にかかわる人や印刷関係の人は発売前に、雑誌ですすめれる株をいち早く安いうちに買い、読者が雑誌を読んで株を買って株価が上がった頃に売って、儲けたりしてるらしい(うわさだけどね)。「こりゃ、雑誌を見て株を買っていたら儲けられないな」と考え直し、今値を下げてるけど上がりそうな株はないか、いろんなネットや掲示板をチェックして調べた。
 そして、今まで下がっていた『ライブドア』の株価が1月16日にちょっと上がってきたので、これからもっと上がるかなって思って買ったら、その日の夕方に『ライブドア事件』が起こった。

ガ〜〜〜ン!! 私の株はどうなるの?あたふたして次の日、慌ててライブドア株を売りに出したが、1株しか売れない。
 あまりにも売りが多くて、みんな1株づつしか売れないようになってるらしい。そういえば、バブルがはじけたときも株を売りたくても、買い手がつかずにみるみるうちに株価が下がってどうすることも出来なかったと聞く。まさにそんな感じ。あまりに売りが多くてパンクしそうで、東証のシステムまで止めてしまったほどの売りの凄まじさ。
 私が買ったときライブドアの株は1株699円で100株と少なめだったから被害は少ないが、ライブドア事件1日後に売れたのは、1株596円。その後どんどん値段が下がって、残りの持ち株全部を売りきったときは、1株155円に下落していた。約5万円の損。

トホホ。

でも、10万以下の株取引は手数料無料の松井証券にしていたのが唯一の救いである。1株づつしか売れずに、株価より高い手数料を取られていたら、目もあてられなかった。まぁ、この経験もいい話のネタになったわ。

その「ライブドア事件の日に株を買ったトホホネタ」を、春風亭昇太さんのラジオ「オールナイトニッポン」に投稿した。すると採用されて、「この前『B型男と幸せになる方法』の本を出した田中ひろみちゃんが」と、私の本の宣伝もしてもらえたのでよかった。そのおかげかどうか、『B型男と幸せになる方法』は先日2刷りになったばかりなのに、もう3刷りに増刷になった。


転んでも、タダでは起きないわ。そして、まだ懲りずに株を買い続けて一獲千金を夢見る私であった。

068
『豊橋ハリストス正教会』

067
『大好き!着物』

066
『仏像に変身した私』

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