05 中国茶編@台湾阿里山
お茶は、その香りに向き合った分だけ心に響いてくる。
まず、茶葉をザクッと手に取り 香りをかぎ、
体の中を新鮮な香りでいっぱいにする。
温めた茶壷に茶葉をいれ、熱湯を豪快にそそぐ。
そして茶壷の合図を待つ。
この待っている時間がちょっと歯がゆい。
さあ、淹れるぞ!とちょっと決心し、気を引き締める。
トクトクトク……
舞い上がる香りとともに、感覚が研ぎ澄まされる。
透き通る水色、自然が作り上げた芸術的な香り、染み渡る滋味。
そう、意識を集中させるほど、お茶と向き合うほど、
何もない、ありのままの自分を感じる。
そして、まっさらな心に香りが染み渡っていく。
向き合うほどに、真剣になるほどに、わかっていく。
感じるものがある。
これは、お茶だけではなく、
何にでもいえることだな、と ふと気づく。
向き合うほどに、面白い世界がそこには広がっている。