04 おばあちゃんのおにぎり
私の祖母はお料理上手です。
ローストビーフを作らせたらピカイチのハイカラなおばあちゃんです。
でも私が特に好きなのが「おばあちゃんのおにぎり」です。
おにぎりはシンプルな料理ですが、おいしく作るのはなかなか難しいもの。お米の炊き加減、塩の付け具合、にぎり具合などなど、同じように作っても同じようにはなりません。
祖母は、炊き立ての熱々のごはんでおにぎりをにぎってくれます。
「おばあちゃんのおにぎり」は、縦5cmくらいの丸みを帯びた小さな俵型です。小さくてぷよぷよの手から生み出される形のそろった俵型のおにぎりは、真っ白でつやつやピカピカです。
口に入れると、お米の一粒一粒の存在感がしっかりしていて、塩味とごはんの甘味のバランスが絶妙なのです。本当においしいのです!今でも祖母に会うと、必ずおにぎりをリクエストして作ってもらいます。
おにぎりは手でにぎるからおいしい!という事を聞いたことがあります。
おそらくそれは料理全般に言えることかもしれません。手から愛情が料理に伝わるのでしょう。祖母の作る料理には愛情がたっぷり詰まっているからおいしいのでしょうね。
私は料理を仕事にしていますが、そんな祖母にはまだまだかないません。お寿司やステーキ、煮ものや酢のものなど、私にとって多くの料理は祖母の味が原点になっています。おにぎりをはじめとして、どうやらレシピでは表せないところに祖母の味の秘密はあるようです。いつか同じ味が出せるようになりたいものです。
今月のレシピ
香味ごはん
暑くなってくると香りのいい野菜が食べたくなるもの。香味野菜は私の大好物です。特にみょうがが大好きなのでたっぷり入れます。昆布と酒を入れて炊いたご飯に刻んだ香味野菜を混ぜるだけ!さっぱりといただけるので、食欲のないときにもピッタリです。香味野菜はお好みのものを入れてください。
◇材料(3〜4人分)
米 2合
新しょうが 30g
みょうが 2個
香菜 2束
酒 大さじ1
昆布 5cm角
塩 小さじ1
ごま 適量
◇作り方
1. 米は炊く30分前に洗ってざるにあげておく。
2. 炊飯器に1を入れ通常通りの水と昆布、酒、塩を入れて炊く。
3. しょうがはせん切りにし、みょうがはたて半分に切り斜めうす切りにする。
香菜は細かく刻んでおく。
4. 2が炊き上がったら昆布を取り出し、3を混ぜ合わせる。
器に盛りごまをふりかける。
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